星状神経節は頸胸神経節ともいう。交感神経の第1胸神経節が,下頸神経節と融合してできたものをいう。胸神経節の数は左右とも通常10~12個であるが、第1胸神経節は頚部の神経節と癒合して頚胸神経節(別名星状神経節stellate ganglion)を作っていることが多い。ときに第2胸神経節もこれに合するので、星状神経節は狭い範囲の神経節ではなく広範なコンパートメントを占める神経節なのです。その広がりの全体が扁平な星状をしているので星状神経節というのです。星状神経節ブロックは、局所麻酔薬を星状神経節といわれる部位に注入して神経の電気的伝達をブロックする療法の一種でペインクリニックで最も多く用いられている治療法です。局所麻酔薬は、神経線維内の高速ナトリウムチャネルに可逆的に結合することにより、神経線維内へのナトリウムの侵入を防ぎ、細胞膜を安定させ、活動電位の伝播を抑止すると痛みの電気信号は脳に伝わらなくなるのです。全身麻酔薬と違って局所麻酔薬は、意識を失わせることなく神経インパルスの伝達を妨げる。ぞれの局所麻酔薬の名称には「-caine」(-カイン)という接尾語が付く。
頚部にある交感神経幹にある星状交感神経節に局所麻酔薬を注入し、星状交感神経を一時的にブロックすることにより、頭部・肩・腕・胸部等の局所の痛みを改善するだけでなく、体全体の自然治癒力を高める唯一の治療法と言われていますが嘘です。本当でしょうか?だって自律神経は知覚神経でないので痛みとは関係がない上に交感神経は免役を下げることはあっても免疫を上げて体全体の自然治癒力を高める唯一の治療法であるはずがないのです。しかも痛みの原因はherpesですからherpesによる痛みと交換神経節をブロックして痛みがとれるはずはないからです。にもかかわらず痛みを止めるペインクリニックで頻回に用いられるのでしょうか?これらの疑問に対する答えを出しましょう。
星状神経節は交感神経幹中にあって、膨らみをもった頭頸部にある頸神経節であります。頸神経節には、上・中・下の頸神経節があり下頸神経節を星状神経節とも呼ぶ。頭頸部の血管、汗腺、立毛筋、涙腺、唾液腺や心臓・肺などに分布する。人では交感神経幹にある二十数個の神経節の他に交感神経節は腹腔神経節、腸間神経節などがある。交感神経幹(sympathetic trunk)は、脊椎の傍らにあり、ほぼ頭蓋骨の底部から尾骨まで縦走し連なっている神経線維の束です。左右に一本ずつあり、この線維束の中に交感神経の神経節が並ぶ。交感神経幹は頭蓋骨底から脊椎の前外側を下行し、尾骨に至る。各脊髄神経またはその運動神経支配の前根と交通枝(灰白交通枝)を介して接続している。交感神経幹の上縁は、さらに上行して頸動脈管から頭蓋内に入り、内頸動脈上に神経叢を形成している。また下縁は尾骨の前方を走行して他方の神経幹と合わさり、不対神経節と呼ばれる構造を形成する(不対神経節は存在しないこともある)。交感神経幹に沿って存在する神経節もあり、脊椎傍神経節と呼ばれる。
星状神経節(頸胸神経節)は首の付け根付近にあり、ここには頭・顔・首・腕・胸・心臓・気管支・肺など の広範囲の臓器を支配している交感神経が集まっているため麻酔薬で広範な星状神経節周辺というべきブロック療法が行なわれるとその広範な周辺にある心臓、平滑筋、分泌腺、骨格筋、汗腺の交感支配が星状神経節に麻酔薬を入れることよって支配することができなくなってしまいます。麻酔(ますい、痲酔とも)とは、薬物などによって人為的に疼痛をはじめとする感覚をなくすことである。主に医療で治療などにおける患者・動物の苦痛を軽減させると同時に、筋の緊張を抑える目的で用いられる。これにより、手術を受けることができ、また、耐え難い苦痛を取り除くことができる。麻酔は通常、局所の感覚のみを失わせる局所麻酔と全身に作用する全身麻酔の処置手段がある。となると上に上げた臓器の無理な頑張りがなくなり体は休まるという効果は生まれることはあるでしょうが交感神経をブロックして痛みをなくなることは理論的には成り立ちません。痛みを除去する効果は理論的には意味のないことです。
星状神経節(頸胸神経節)ブロックは正しくは局所麻酔(local anesthesia)というべきであり、さらに伝達麻酔というべきです。局所麻酔というのは意識消失を伴わずに、感覚を鈍麻させ麻酔薬が作用している部位のみの痛みを除去するものですが星状神経節(頸胸神経節)ブロックによる局所麻酔は麻酔薬が広範囲に広がって痛みのみならず様々な神経の働きがなくなり石木がある睡眠中の効果のような体がリラックスする効果をもたらしているだけなのです。つまり疼痛刺激の神経伝達をブロックするのみならず星状神経節周辺の血管運動神経、温覚、触覚、圧覚、運動のすべてをブロックしているのでくつろげる効果も出て体が楽になったように思うだけで、決して交感神経の作用をなくしたからではないのです。