我が母校の京大の先生でいらっしゃる本庶先生が、2018年度のノーベル生理医学賞を受賞されたのは、新しい免疫療法となる抗ガン剤のオプジーボを発見され、従来と違ったガン治療ができるという功績でありました。まず従来の抗ガン剤は、増殖し続けるガン細胞の遺伝子を障害し殺すと同時に、正常な細胞のDNAを傷つけ殺してしまうので、副作用が問題となっていました。ところがオプジーボはガンを殺すキラーT細胞を活性化することによって、ガン細胞だけを殺すことができるという触れ込みで、ノーベル賞を授与されたのです。ところが、従来の抗ガン剤以上に、オプジーボは致命的な副作用が1400種類も生まれ、117人も死亡させてしまいました。なぜでしょうか?ちょっと難しいですが繰り返し読んでください。
まずオプジーボはガンを認識したキラーT細胞にPD-1というレセプターが生まれます。ところが全ての細胞はPD-1にひっつくPDL-1というリガンドを持っています。当然ガン細胞もPDL-1を持っています。このPD-1とガンの持っているPDL-1が結びつくと、キラーT細胞は殺せという命令がなくなり、ガン細胞はどんどん増え続けることを本庶先生は発見されました。そこで本庶先生は、キラーT細胞のPD-1に、ガン細胞のPDL-1がひっつかないようにする抗ガン剤であるオプジーボを作れば、キラーT細胞がガン細胞を殺し続けることができることを発見されました。オプジーボと結びついたキラーT細胞はガン細胞を殺す力を取り戻し、ガン細胞を減らすことができるようになるというわけです。オプジーボはこの通りに行けば最高の抗ガン剤となるはずであったのですが、ところがどっこい、そうは問屋が卸しませんでした。それはPDL-1を持っているあらゆる細胞に免疫の働きが弱いガンになった人はヘルペスが感染してしまっているのです。
キラーT細胞のPD-1と、ヘルペスが感染していて、かつガンでない正常な細胞が持っているPDL-1が結びつくと、このPDL-1細胞も一緒に殺してしまうことになってしまったのです。人間は230種類の細胞から60兆個も増えて人体を形成しています。60兆個の細胞の中には心臓や脳や肺や腎臓などの重要臓器の細胞のみならず、その他あらゆる生きるために必要な細胞が含まれています。これらのPDL-1を持っている細胞に無差別に感染しているヘルペスもろともアポトーシスで殺してしまい、なんと1400種類の副作用が出てしまうのです。キラーT細胞がアポトーシスでヘルペス感染細胞が殺されてしまったのです。しかも殺されてしまった細胞は、生命がなくなるほどではないけれども、大量の細胞喪失による細胞の機能不全が生じ、副作用が出てしまったのです。何もオプジーボ自身による直接的な副作用ではないのです。細胞の機能が失われる度合いが強すぎたり、生命維持に絶対必要な細胞が死滅した結果、117人ものガン患者が延命どころか、副作用であえなく死んでしまったのです。
なぜガン細胞やヘルペス感染細胞を認識して活性化したキラーT細胞がPD-1を持つようになり、一方なぜあらゆる細胞にPDL-1というレセプターを持たせるように人間の細胞は進化したのでしょうか?それは、ヘルペスはあらゆる細胞に感染でき、かつエピソームという輪状の遺伝子になって潜伏感染で隠れてしまうと、絶対にキラーT細胞では殺しきれないからです。それどころか、ヘルペスはあらゆる細胞に住み着くので、下手にヘルペス感染細胞を殺してしまうと、絶対に必要な細胞を殺し続けることになり、最後はオプジーボの副作用を生み出すことになってしまうのです。従って、PD-1はPDL-1と結びつくことでキラーT細胞が細胞に感染しているヘルペスを殺すことを止めるための白旗、つまり休戦条約であったのです。この真実をノーベル賞受賞者でいらっしゃる本庶先生のみならず、残念ですが世界中の免疫学者は誰一人としてご存知でないのです。
私はもう十数年前から、最後の病気はヘルペスと化学物質が原因であると言い続けてきました。まさにこのオプジーボは、私の理論を完全に証明してくれた人体実験の道具であったのです。ヘルペスは人間の免疫よりも賢すぎるので否が応でも仲良くせざるを得ないことを免疫は数十億年の間に知り、PD-1をキラーT細胞のみならず、全ての免疫細胞に持たせたのです。
最後に伝えておきたいことは、免疫を抑えることはこのヘルペスを増殖させ、あらゆる細胞に増殖し感染していき、死ぬ前に脳まで増殖させた人はアルツハイマーで死んでいくのです。最後にまとめておきたいのは、繰り返しますが、ヘルペスが人間の細胞を殺す方法は2つあります。1つは、細胞に入り込んだヘルペスは増殖するために子供であるビリオンを細胞が持っているエネルギーやアミノ酸や他の様々な細胞の機構を利用して作り続けた後、その細胞をガラクタにし、殺してしまう方法である溶解感染死とか細胞変性死などといわれる殺し方であります。2つめは、免疫はオプジーボなどのPD-1に蓋をすることのできる人工的な薬剤を用いる時に、ヘルペスもろとも細胞がキラーT細胞で殺されてしまうアポトーシスという方法の2つです。本来、アポトーシスはキラーT細胞がガンなどを殺すために生まれたのですが、PD-1とPDL-1の意味付けができなかった人たちが作ったオプジーボが、殺す必要がない細胞までを殺してしまうキラーT細胞の働きも皮肉にもアポトーシスであったのです。皆さん、ちなみにPD-1のPDはどういう意味かご存知ですか?“programmed cell death”と英語で書き、“遺伝子の中に組み込まれた死”という意味であり、これを一般的にアポトーシスというのです。
さらに詳しく知りたい人は、「オプジーボの膨大な副作用のすべてはどうして起こるのか?」の論文を読んでください。