理論

五炭糖とは何か?

投稿日:2019年12月30日 更新日:

 五炭糖とは、5つの炭素を持っている糖であります。五炭糖にもいくつかの種類があります。5つの炭素には番号がついています。番号のつけ方は、今は気にしないでください。とにかく2’位の炭素に、水素基がつくとDNAとなり、2’位の炭素に水酸基がつくとRNAになります。つまり、2’位の炭素に、水素基がつくと酸素がないので、糖として2-デオキシリボースを持つものがデオキシリボ核酸(DNA)であります。「デオキシ」というのは「酸素がない」という意味であります。一方、2’位の炭素に水酸基がつくと、糖としてリボースとなり、これがリボ核酸(RNA)であります。従ってヌクレオチドはDNAやRNAの最小の構成単位であり、核酸はDNAとRNAの2つを含みます。核酸は英語でnucleicacidといい、DNAやRNAの“NA”のことであります。RNAは糖の2’位が水酸基であるため、加水分解を受けることにより、DNAよりも反応性が高く、熱力学的に不安定であります。糖の1’位には塩基(核酸塩基)が結合しています。さらに糖の3’位と隣の糖の5’位はリン酸エステル構造で結合しており、その結合がRNAポリメラーゼによって繰り返され、リン酸が連続的に付け加えられて長い鎖状になるのです。転写や翻訳は5’位から3’位への方向へ進みます。なお、糖鎖の両端のうち、5’にリン酸が結合して切れている側のほうを5’末端、反対側を3’末端と呼んで区別しています。また、隣り合う核酸上の領域の、5’側を上流、3’側を下流といいます。(難しいでしょうから読み飛ばしてください。しかしDNAの転写や翻訳の話には5’末端とか3’末端とかいう言葉はつきものですから、この言葉だけでも覚えておいてください。)

-理論
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

なぜヘルペスウイルスはアシクロビルに対する耐性を持ちにくいのか?かつアシクロビルは副作用がないのか? 2024.1.19更新

以前から「なぜヘルペスウイルスはアシクロビルに対する耐性を持ちにくいのか」の答えを出しておきたかったので、説明しましょう。これは以前ヘルペスについて書いたコラムの続きになります。このコラムのテーマは、 …

no image

必要な薬は抗生物質と抗ヘルペス剤とワクチンだけである

(インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンは不要) 世界的に寿命が延びている理由は結局のところ世界的に感染症を封じ込めることができたからです。いろいろ寿命が延びた理由が挙げられます。栄養状態がよくなっ …

no image

パーキンソン病は治せる。パーキンソン病の原因もherpesですから抗ヘルペス剤のアシクロビルで治せる。Part2更新2023.5.19

前回の続きをいきましょう!!まだの方はここを読んでください!   アセチルコリン(Acetyl-choline;Ach)は神経伝達物質として初めて発見されたのですが、アセチルコリン(Acetyl-ch …

no image

膠原病とアレルギーは同じ病気である

8年前に膠原病とアレルゲンについて書いてから一度も手を加えていませんでした。8年の間にさまざまな新しい知見を得ることができました。8年前と考え方は根本的には何も変わりません。病気に対する考え方も全く変 …

no image

なぜCOVID-19(新新型コロナウイルス)に対するワクチンができないのか 2020.6.4更新

まずワクチンの目的はなんでしょうか?未来において、病気を起こすウイルスや細菌が侵入した時に、それらの病原体に対して、液性免疫である抗体を作ってくれる記憶B細胞を作ったり、細胞に侵入するウイルスや細菌を …