用語解説

ビタミンAについて

投稿日:

 実は、ビタミンAも転写因子のひとつであり、当然、細胞の核内にはビタミンAの受容体があります。ビタミンAもステロイドと同じように摂りすぎると過剰症となり、訳のわからない症状が出ます。例えば、脳圧亢進、激しい頭痛(おもに後頭部)、脱毛、骨・四肢の痛み、不安、易刺激性(不機嫌)、吐き気や嘔吐、肝機能障害、疲労感、奇形の発生、食欲不振、発疹、下痢、睡眠障害、皮膚の荒れ、かゆみ、色素沈着、めまい、鼻血などであります。ビタミンA剤ごときでも過剰になると訳のわからない病気が出てしまうのです。

 逆に欠乏すると、夜盲症、乾燥眼炎、感染に対する抵抗力の低下、成長不良、骨・歯の発育不良と変形、皮膚や粘膜の角質化、皮膚の異常乾燥、色素沈着、性腺の変性退行などの病気になります。

 しかしながら、これらの病気で死ぬことはほとんどないでしょう。ただ、ビタミンAがステロイドと違うところは、ビタミンAを過剰に摂っても、免疫を抑えることにはならないので、快楽を生み出すことがないので、わざわざ医者が不必要に過剰にビタミンAを投与してビタミンA過剰症を作ることはないのです。ワッハッハ!

-用語解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

DNAについて

 DNAは、アミノ酸を指定する暗号の集まりと考えられます。わかりやすく言うと、DNAの暗号を64個の単語(コドン)で書かれた文章だと考えれば、遺伝子はその文章を構成する1つ1つの区切られた文に例えるこ …

no image

CRPとは何か

 今日は、膠原病の病気の患者さんがご存知であるCRPも、実は補体と関わりがあるのでCRPの話から始めましょう。ご存知のようにCRPは、炎症の度合いを示すものですね。ところが炎症というのは一体何であるか …

no image

オプジーボの膨大な副作用のすべてはどうして起こるのか?2020.2.4更新

 まずオプジーボを健康保険で投与が許されているガンには7種類あります。7つのガンには1つ目は悪性黒色腫(メラノーマ)、2つ目は悪性胸膜中皮腫、3つ目は悪性リンパ腫(ホジキン病)、4つ目は頭頚部腫瘍、5 …

no image

ウイルスから人体を守る自然免疫 INF-αとINF-β 2020.5.29更新

いずれにしろ細胞内に巣食っているこのようなウイルスを殺すことは、高等免疫は不可能なのです。インフルエンザについて言えば、インフルエンザはミューテーションはしますが隠れ続けることはできない上に、AIDS …

no image

エピジェネティックについて

 全ての細胞の生命の設計図である遺伝子は、同じ遺伝子であるのにもかかわらず、その遺伝子が細胞によって発現されたりされなかったりする違いを「エピジェネティックな違い」といいます。分化とは、とどのつまりは …