私が最近経験したインフルエンザワクチンの副作用としては、Ⅰ型糖尿病になった子供がいました。これはインフルエンザワクチンの副作用というよりも、別のメカニズムによって膵島のβ細胞が破壊されたためです。それを説明するためにインフルエンザワクチンがどのようにして作られるかを述べておきましょう。3つのステップがあります。最初のステップは鶏の受精卵をたくさん用意し、37度の孵卵期に10日間入れておくと、この受精卵はヒヨコになる途中の卵になります。これを孵化卵といいます。この孵化卵にウイルスの混ざった液体を注射器で注入しておくとウイルスが増えていきます。増えていく最中に孵化卵から液体を取り出して集めます。次のステップはこの液体からウイルスだけを取り出すことです。この液体には卵の成分であるタンパク質もたくさん含まれているので、この液体を遠心分離機にかけると、比重の違いを利用してウイルスだけを取り出すことができます。最後のステップは、分離したウイルスにホルマリンを加えて殺し、ウイルスを不活化します。これが不活化インフルエンザワクチンとなります。
ここで問題点がいくつかあります。ウイルスを不活化するということに意味についてどの本にも書かれていないのです。不活化ワクチンは殺してしまったウイルスをワクチンに用いるという意味です。実際的には不活化ワクチンを人体に入れても感染はしないというワクチンです。感染はしないということはワクチンにしたインフルエンザウイルスの遺伝子が複製(コピー)できないという意味です。にもかかわらずホルマリンがどうしてインフルエンザウイルスの遺伝子を複製できないようにしているかについては一言も書かれていないのです。ワクチンの専門家は必ずこのような疑問を感じて解明しているはずですが、なぜ語らないのでしょうか?しゃべるとホルマリンで不活化することが人体にまずいことになるからかもしれません。今のところ私にはわかりません。ただ複製できなくなっても、上に述べたように、HAタンパクやNAタンパクはワクチンに残っていますから、ワクチンを投与すれば人体はそれに対して抗体を作ることはできるのです。この15種類のHAに対する抗体を作ったり、9種類のNAに対する抗体をワクチンによって無理やり作らせると、この抗体とクロスリアクション(交差反応)する膵島のβ細胞の膜の糖鎖を生まれつき持っている人、つまり遺伝子を持っている人はこの抗体が付着し、細胞もろとも大食細胞やナチュラルキラー細胞が食べてしまうことがあるのです。なぜクロスリアクション(交差反応)というのかを説明しましょう。交差反応とは、抗体が作られる元となった抗原とは別のよく似た違った種類のタンパクの抗原に対して結合し反応を起こしてしまうことをいいます。この場合は、インフルエンザワクチンに含まれているHAタンパクやNAタンパクと、膵島のβ細胞の膜の糖鎖の分子構造がよく似ているため、この違った2種類のタンパクに対して1種類の抗体が反応するので交差反応と呼ばれるのです。そうするとβ細胞でインシュリンが作られなくなり、幼くしてⅠ型糖尿病となり、生涯インシュリンを打ち続けなければならなくなるのです。
生まれたときからⅠ型糖尿病になっている人はいません。ほとんどがインフルエンザウイルスをはじめ、その他の細菌感染症の後に起こるのです。全てが今述べたウイルスや細菌に対して作られた抗体が膵島のβ細胞の膜に引っ付き、クロスリアクション(交差反応)を行い大食細胞やナチュラルキラー細胞に食べられてしまうからです。このようなⅠ型糖尿病も自己免疫疾患のためであり、原因が分からないと学者は言い続けていますが、間違いです。この世には自己免疫疾患はないという論文を書きましたからここを読んでください。