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免疫グロブリン(immuno globlin)とは何か? 2018.11.1更新

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まず、何のために免疫は抗体を5種類も作ったと思いますか?抗体は細菌やウイルスを殺す特異的なIgGだけで十分ではないかと思いませんか?残念ながら生命が生き続けるためには敵を殺すだけでは生き延びることはできないのです。敵と共存するためにも免疫の働きが必要であるということを私は証明したいのです。さらに化学物質のみならず腸管の無限大の常在菌と共存できることも詳しく証明したいのです。

血液の中で圧倒的に一番多いのは敵を殺すためのIgGであります。IgGとはなんでしょうか?IgGというのは、“immuno globulin G”の略であります。“immuno”は日本語で「免疫」と訳します。これはみなさんご存知でしょう。それでは“globulin”とは何かについて話を始めましょう。

グロブリンは極めて簡単にいうと、「単純タンパク質」の一群のことであります。それではまず単純タンパク質とはなんでしょうか?タンパク質の分類の一つで、アミノ酸のみから成り、他の化合物を生成しないタンパク質のことであります。例えばIgGやIgAやIgEなどの免疫抗体や、ケラチン、コラーゲンなどがあります。単純タンパク質に対して、色々な化合物を生成するタンパク質のことを複合タンパク質といいます。免疫抗体のことを“immuno globulin”といいます。

もうひとつのタンパク質の分類の仕方に、三次元的な形によるタンパク質の分類があり、大きく繊維状タンパク質と球状タンパク質の2つに分けられます。最も有名な球状タンパク質はヘモグロビンでありますが、他には免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、IgM)やα、β、γグロブリンなども球状タンパク質に分類されています。

免疫抗体のことを免疫グロブリンともいい、英語で“immuno globulin”といいます。また、ほぼ全ての代謝にかかわる酵素やシグナル伝達タンパク質も球状タンパク質に分類されています。球状というのは英語で“globe”といい、球状に見える免疫抗体を“globulin”といいます。「免疫」というのは英語で“immuno”というので、まとめて免疫抗体のことを英語で“immuno globulin”と名付け、「Ig(アイジー)」と略されます。免疫抗体は、文字通り英語に訳せば“immune antibody”になるのですが、どういうものか“immuno globlin”というのです。従って「免疫抗体G」のことを、英語では“immuno globulin G”といい、略して「IgG」と呼ぶのです。同じように「免疫抗体A」のことを「IgA」と呼ぶのも同じです。

みなさん、抗体はY字型になっているといつも言っているので、抗体が球状であるというイメージは違和感があるでしょう。タンパク質というのは2次元で説明することはできません。3次元の世界ですから、実は抗体は球状になっているということを理解してください。

次に“immuno globulin”のことを、ときに“gamma globulin(γglobulin)”ともいうのですが、それはなぜでしょうか?球状タンパク質は電気泳動法を使った分類により、4種類に分けます。下の図を見ながら読んでください。下の図にはグロブリンの中にはα1、α2、β、γがありますね。その役割は、αとβは血中の化学物質を輸送する仕事をし、他の物質が作られる基質としての役割もαやβなどの球状タンパク質が果たします。基質とは酵素の作用を受けて化学反応を起こす物質のことです。それ以外にも様々な役割を果たします。ガンマグロブリン(gamma globulin 略してγgといいます)は、大部分がまさにIgGのことであり、感染に対する抗体として役割を果たしています。このガンマグロブリンの中には腸管免疫の王者であるIgAも含まれていますが、血中には極めて少ないのです。言い換えると、γgの中にはほとんどIgAが含まれていないことも知っておいてください。その理由は後でわかります。

上で述べたように球状タンパク質であるα1、α2、β、γは電気泳動法によって分けられます。電気泳動法によって分けられたグラフを左に掲げましょう。電気泳動法は簡単に言うと、タンパク質やDNAは電圧をかけたときに移動する性質があるため、この移動距離の違いによって分離を試みる方法です。

左の図は血液の血清中にあるタンパク質を分けたグラフであります。大きくAlubumin(アルブミン)とGlobulin(グロブリン)に分けられます。グロブリンはさらに4つに分かれていますね。電気泳動法によってグロブリンはα1、α2、β、γの4つに分けられているのはわかりますね。

皆さんはギリシャ文字のアルファベットの読み方はご存知ですか?まず最初はアルファ(α)から始まり、最後はオメガ(ω)で終わる24文字であります。はじめから日本語の読み方でいうと、アルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ゼータ(ζ)、イータ(η)、テータ(θ)、イオタ(ι)、カッパ(κ)、ラムダ(λ)、ミュー(μ)、クサイ(ξ)、オミクロン(ο)、パイ(π)、ロー(ρ)、シグマ(σ)、タウ(τ)、ウプシロン(υ)、ファイ(φ)、カイ(χ)、プサイ(ψ)、オメガ(ω)の24文字であります。そもそも「アルファベット」とは、このギリシャ文字の最初の2文字の「アルファ」と「ベータ」から由来するのです。従って、ガンマ(γ)はギリシャ文字のアルファベット順にはじめから数えると、α、βの後に来る3番目に来る文字であるので、電気泳動法で分類した、3番目の球状タンパク質ということになりますね。

ところが、図の一番左にアルブミンがありますね。アルブミンは別格のタンパク質なのです。アルブミンも実は球状タンパク質でありますが、血清タンパク質の60%を占める最も量の多いタンパク質ですから、グロブリンの中にはいれないのです。しかも臨床医学においても極めて大切なタンパク質ですから、別枠になっているのです。それではアルブミンについて勉強しておきましょう。

ご存知のように、採血後の血液を放置したり遠心分離機にかけますと、上澄み成分である血清と血球成分に分かれてしまいます。この血清中に全てのタンパク質が含まれており、タンパク質の総量を総タンパクといいます。総タンパクには様々なタンパク質が含まれていますが、はじめに説明したように、その血清総タンパクは大きく分けてAlubumin(アルブミン)とGlobulin(グロブリン)の2つに分けられます。アルブミンは肝臓で合成されますが、
グロブリンはリンパ節や脾臓などのBリンパ球が産生します。アルブミンが減少した場合には、肝障害や腎障害の可能性があります。また、グロブリンの数が異常になった時には、リンパ組織が関わる事から、悪性腫瘍や自己免疫疾患の可能性があります。 (自己免疫疾患などはないことはご存知でしょうが)

アルブミンとグロブリンの数値は病気に直接かかわっているので、このアルブミンとグロブリンの比率を求める検査を「A/G比(アルブミン(A)/グロブリン(G)比)」といい、肝臓や腎臓の疾患の有無と種類、重症度を診断する際に必ず使われるのはご存知でしょう。ます。アルブミンは、血清総蛋白の約60%を占めるタンパク質成分で、減少すると、疲れやすくなったり、だるくなったり、浮腫を起こしやすくなり、重度の肝疾患が疑われます。それは、タンパク合成の低下は低栄養や肝機能障害が隠れているからです。無理なダイエットでも同じ症状が現れることがあります。

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