理論 疾患解説 起立性調節障害

起立性調節障害は起立時の不調を中心とする症状群で、本邦では小児科でよく用いられる。原因はヘルペスによる自律神経失調症です。更新2025.7.7

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起立性調節障害 (orthostatic dysregulation, OD)は、起立時の不調を中心とする症状群で、本邦では小児科でよく用いられる。原因は十分に明らかにされていないが、血管迷走神経失神/神経調節失神の1型と考えられている。起立試験を行い、循環器系を含めた症状再現を確認する。一般に良性であり、適切な治療や支援を行うことによって回復する。

10歳から16歳に多く、日本の小学生の5%、日本小児心身医学会によると、“中学生の10人に1人”いるとされ、男女比は 1:1.5〜2 と報告されている。概日リズムが5時間程度うしろにズレていることが多く、『宵っ張りの朝寝坊』になりやすい。また、上気道のアレルギーを併発する割合が高いとする報告がある。

症状
循環器系の障害として捉えられており、自覚症状としては立ちくらみ(血の気が引いて意識が遠のき、しゃがみ込みたくなる感じ、いわゆる[脳]貧血)が多くみられる。その他に、不眠 (睡眠障害)・意欲の低下/朝起きられない/不登校・(姿勢と関連のない)動悸・(動作時の)息切れ・心因性食思不振症・過敏性腸症候群 (腹痛)・緊張性頭痛・倦怠感(疲れ)など、人によりさまざまな症状が現れる。これらの循環器系以外の症状は、不安症に伴う身体症状症(somatic symptom disorder SSD)とも考えられている。
原因はヘルペスが自律神経節に感染したためです。

起立性調節障害が増加している背景には、生活習慣の変化、ストレスの増大、教育環境の影響、そして睡眠不足などが複合的に関与していると考えられています。特に、思春期における身体的な成長と自律神経系の発達のアンバランス、過度なストレス、そしてコロナ禍における生活の変化などが、発症リスクを高めている可能性があります.

生活習慣の変化:
運動不足や不規則な生活、睡眠不足などが自律神経のバランスを崩し、起立性調節障害を誘発する可能性があります.
スマートフォンの長時間利用や夜更かしも、睡眠の質を低下させ、自律神経の乱れを引き起こす一因と考えられています.
ストレスの増大:
学校生活、受験勉強、人間関係など、思春期は様々なストレスを抱えやすく、心理的なストレスが自律神経のバランスを崩すことがあります.
コロナ禍における不安感や生活の変化も、ストレスとなり、自律神経の乱れを引き起こす可能性があります.
教育環境の影響:
部活動や塾など、活動量が増えることで、身体的な疲労や精神的なストレスが蓄積されやすい環境も、発症リスクを高める要因の一つです.
二次性徴期の影響:
思春期は、身体が急激に成長する時期であり、心臓と脳の距離が広がる一方で、自律神経の発達が追いつかず、脳への血流が維持できなくなることがあります.
この時期は、特に自律神経のバランスが崩れやすく、起立性調節障害を発症しやすい時期と言えます.
遺伝的要素:
体質や遺伝的な要素も、起立性調節障害の発症に関与していると考えられています.
大人の起立性調節障害:
ストレス過多の生活を続けることで、大人になってから発症するケースもあります.
起立性調節障害の症状:
立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、朝起きられない、集中力低下など.
対処法:
規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事、ストレスを溜めない工夫が大切です.
症状が重い場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です.
親御さんができること:
子どもの体調に寄り添い、安心して過ごせる環境を整えることが大切です.
症状を理解し、無理強いをせず、温かく見守ることが重要です.

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