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mRNAワクチンはなぜ作れないのか?Part 2更新2021.2.7

投稿日:2021年2月7日 更新日:

抗体のクラススイッチと体細胞超突然変異が起こらないからです。IgMがどのようにしてIgGにクラススイッチするのか?体細胞超突然変異はどのようにして起こるのか?

mRNAワクチンは絶対にできない。絶対に失敗する。 」も一緒にご一読ください。

SARS-CoV-2に対する獲得免疫の防御は3つの段階が必要です。1つ目は、コロナウイルスを認識できること。2つ目はコロナウイルスに合う武器(抗体)を産生すること。3つ目は、これらの武器をコロナウイルスの感染部位(肺)に運ぶことであります。獲得免疫の認識段階は二次リンパ器官で行います。二次リンパ器官には、リンパ節と脾臓と粘膜関連リンパ節(mucosa-associated lymphoid tissue、略してMALT)の3つがあります。一次リンパ器官は骨髄と胸腺です。

上 に二次リンパ器官の1つであるリンパ節の絵を掲載しておきます。この3つの二次リンパ器官の特徴は、リンパ濾胞(Lymphoid Follicle)を持っていることです。このリンパ濾胞(Lymphoid Follicle)には、一次リンパ濾胞と二次リンパ濾胞の2つがあります。まずリンパ節が活性化されない時には、一次リンパ濾胞として数多くのリンパ濾胞が左図のように存在しています。全てのリンパ濾胞には、濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)が非常に多いのですが、最も多いのはBリンパ球なのです。従ってリンパ濾胞というのはB細胞という海の中に、濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)の集団が島のようにあちこちに散在しているとイメージしてください。濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)は、抗原を提示する樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)と同じくヒトデに似た格好をしていますが、2つの点で濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)と樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)は異なっています。

1つ目の違いは出生場所が異なり樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)は、白血球の1種類で骨髄で産生されます。その後、骨髄から血管を通って組織に出てコロナウイルスなどを見つける斥候の役目を果たします。一方、濾胞樹状細胞(FDC)は、受精後、妊娠中期までには二次リンパ器官であるリンパ節などに既に住みついています。

2つ目のDCとFDCの違いは、機能が異なっています。樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)の役割は、組織やリンパ節においてT細胞に抗原提示をする抗原提示細胞ですが、一方、濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)の役割は、リンパ濾胞でB細胞に抗原を提示する抗原提示細胞なのです。

FDCがなぜB細胞に抗原を提示するのか不思議に思いませんか?皆さんは抗原提示細胞であるDCはヘルパーTリンパ球に抗原提示し、活性化されたヘルパーT細胞はB細胞をヘルプするだけと思い込んでおられませんか?ところが、実はB細胞はヘルパーT細胞の手助けなしで、この世のあらゆる有機物質であるタンパク、炭水化物、脂質のみならず、あらゆる化学物質をBリンパ球の受容体で認識できるのです。FDCが抗原をリンパ節のリンパ濾胞でBリンパ球に直接提示するのは何も不思議なことではないのです。FDCは提示した抗原をB細胞に捕まえさせ取り込ませる特別な仕事をしているのです。しかもFDCはDCと違ってMHCⅡを持っていないので、ペプチド抗原をMHCⅡと結びつけてヘルパーT細胞に提示することができないので並みのDCではなく、まさに濾胞でしか仕事ができない特殊なDCですから濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)という名前が付けられたのです。

ところがあちこちですでに述べたようにヘルパーT細胞の手助けを借りないB細胞はIgMしか抗体を作れないのです。もちろん、IgG抗体のみならず、体細胞超変異も起こることもないのです。この体細胞というのはBリンパ球のことですよ。しかももっと正しくいえばB細胞のFabを決める遺伝子の塩基の並びが突然変異を起こすということです。B細胞のFabの突然変異が遺伝子に生じなければ、このB細胞はメモリーB細胞になることができないのです。ところがリンパ節のリンパ濾胞に住んでいる濾胞ヘルパーTリンパ球(Tfh)という特別なリンパ球が存在し、そのTfhの手助けを借りて上で述べたヘルパーT細胞に依存したB細胞でもできなかった仕事、つまり抗体のクラススイッチと体細胞超変異を起こさせることができるのです。

どのようにしてリンパ節での複雑極まりない免疫細胞の相互作用によってBリンパ球が最初に述べた3つの仕事をやり遂げるかをもう一度順にまとめましょう。この3つの仕事とは、1つ目は、コロナウイルスを完璧に認識でき、2つ目はコロナウイルスに対する完璧な武器であるIgG抗体を産生すること。3つ目は、これらの武器をコロナウイルスの感染部位(肺)に運ぶという3つの仕事です。この3つの仕事は必ずしも順番に起こる訳ではないことも理解して下さい。免疫学は医学の中で最も難しい分野であることは既に述べました。免疫学のハイライトは高等免疫(適応免疫)であり、この適応免疫がBリンパ球の3つの仕事を完成させる場所はリンパ節しかいないのです。

さてFDCの話に戻りましょう。FDCの仕事は何でしょうか?感染の初期に自然免疫の補体タンパクが新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2と結びつくと、自然免疫の補体でオプソニン化された新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2は二次リンパ器官であるリンパ節にリンパ液や血液によって運ばれます。二次リンパ器官(リンパ節)に住み着いているFDCはもちろん樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)の仲間の1つですから、補体と結びつくレセプターを持っているのでFDCは補体によってオプソニン化された抗原を奪い取り、保持し続けることが出来ます。実は保持するだけではなくて、それを取り込んで抗原タンパクをペプチドにできますがFDCは先ほど書いたようにMHCⅡはないので、そのペプチドをMHCⅡに乗せてBリンパ球に提示することはできないので、FDCはBリンパ球にオプソニン化されたSARS-CoV-2ウイルスのペプチドを提示すると、B細胞がペプチドをFDCから取り上げ、かつ取り込み、左上の絵図のTh cellと結びつくとThはTfhという濾胞ヘルパーT細胞となり、このTfhと協力して最後はB細胞にクラススイッチと体細胞超変異を起こさせるのです。非常に大事なTfhについては後で詳しく説明します。

つまり、B細胞が作る抗体の種類を決めるFcの遺伝子の組み変えを行わせ(体細胞超変異)、IgMからIgGの遺伝子に変換して(抗体のクラススイッチ)、新しいIgGという抗体を作り替えさせるのです。

抗体のクラススイッチとは、IgMをIgGに変えることであり、さらにB細胞が作る抗体のFabの遺伝子を組み変えさせて、コロナウイルスとさらに強く結びつくFabの遺伝子を新たに作り替えることを体細胞超突然変異(Somatic super-mutationとかSomatic hyper-mutation)を起こさせるのです。体細胞突然変異(Somatic hyper-mutation、略してSHM)とは胚中心(germinal center)において、B細胞が高頻度にSHMを繰り返すことによって、抗体のコロナウイルス抗原とのアフィニティ(親和性の強さ)、アビディティー(結合力の強さ)が増強されていくプロセスを、アフィニティマチュレーションと呼びます。

アビディティーとアフィニティーの違いは何でしょうか?抗原抗体反応では、抗原上のエピトープ(抗体が認識する抗原の一部分)と抗体上のパラトープ(抗原結合部位であり抗原のエピトープを認識して結合する抗体の一部)が結合しています。アビディティー(Avidity)とは抗原と抗体の結合力の総和です。一方、アフィニティー(Affinity)とは一価のエピトープと一価のパラトープとの結合力です。SHM (Somatic hyper-mutation)による変異で生じた多様なB細胞群のうち、コロナウイルス抗原に曝露されることによりコロナウイルス抗原に対する高親和性抗体(Hyper-Affinity)を発現するB細胞がさらに増え維持され、他の低親和性抗体発現B細胞は排除されてしまうので、その結果、強い結合力を持ったB細胞だけが残っていくことをクローンセレクションといいます。

親和性とは何でしょうか? 親和性とは、1)エピトープに対する抗体の結びつきの強さ、2)抗原と抗体が結合しているエピトープの数、3)相互作用する部位の立体配置の適合性という主に3つの要因によって決められ、これらが、特異的な抗体がピッタリ合う抗原の持つエピトープに結合する可能性を高め、同じB細胞のクローンセレクションが生じるのです。

抗原がB細胞に取り込まれるまでは、FDCは人体に感染したコロナウイルスが増殖している肺組織で、補体と結合した新型コロナウイルスの持つ様々な種類の抗原でFDCの細胞膜はコロナウイルスの抗原だらけとなっています。一方、B細胞のBCRはウイルス抗原の上にある極めて小さいエピトープと結びついています。さらに大量のコロナウイルス抗原を捕まえて、それらを密に集めることによってFDCは、そのコロナウイルス抗原をB細胞に見せるときに、その抗原を認識するB細胞の受容体(BCR)が橋げたとなり、連続して抗原(エピトープ)に結びついて橋状に繋がっているように見えるので、架橋する(橋を架ける)という表現を私は用います。このような架橋によってBCRが一カ所に集中して集まると抗原が大量に結びついたという情報が核に伝わりやすくなり、クラススイッチや超変異が起こしやすくなるのです。

いずれにしろ、このような架橋が見られるのは、3つの場合しかありません。1つは肥満細胞や好酸球や好塩基球が保有するIgEレセプターにIgE抗体が結びつく時に、そのIgE抗体のFabにアレルゲンのエピトープに結びつく場合と、2つ目はB細胞のレセプターである膜型IgM抗体のFab部分にオプソニン化された抗原のエピトープが結びつく場合と、3つ目は、B細胞の補体のレセプターの先端に補体でオプソニン化された抗原のエピトープが結びつく場合です。

元来、架橋という医学用語は、英語でcross linkといい、マスト細胞や好酸球や好塩基球上のIgEにアレルゲンが吸着し、多くのIgEにアレルゲンの橋がかけられた様に結びつけられると、この架橋による刺激によって脱顆粒が起こり、ヒスタミンが放出される意味で用いられました。

下の2つの図を見て下さい。上の絵図は、B細胞がヘルパーT細胞の助けを借りずに、初めて出会ったコロナウイルス抗原(Antigen)のcognate antigenのエピトープに対して膜型IgM抗体と結びついている絵図です。BCR(B cell receptor)は、訳してB細胞受容体ですが、膜型IgMそのものです。下の絵図はウイルス抗原(Antigen)のエピトープが、BCR以外に補体によってオプソニン化されたウイルス抗原を、もう1つの補体レセプターで認識しIgMを効率良く作れる状態を示しています。つまり敵であるコロナウイルス抗原をBCRと補体のレセプターの2つのレセプターで認識することができるので、この2つから伝えられたシグナル情報がB細胞の核に伝える力が2倍どころか何十倍も強くなり、B細胞は素早くIgM抗体を作れるようになるのです。この補体のレセプターをCo-receptor(補助受容体)といいます。しかしながら、2つのレセプターの刺激を得ても、あくまでもヘルパーT細胞があって初めて抗体のクラススイッチとさらに体細胞超変異(SHM)があってこそ強力な中和作用や親和性をもつIgGが作られるのです。しかもこの申し分のない最高の抗体であるIgGが作られる領域はまさにリンパ節の胚中心(germinal center)なのです。

さらにリンパ節の胚中心(germinal center)でこそ記憶B細胞、記憶T細胞、記憶キラーT細胞が生まれ、コロナウイルスに対するワクチンの効果が維持されるのですが、残念ながらコロナのスパイクタンパクの遺伝子情報を用いて作ろうとしているmRNAワクチンはこのような複雑極まりない機序を乗り越えてできるかについてはファイザーもアストロゼネカもバイオテックもモデルナも一言も言及していません。上の2枚の絵図とも一番上の直線が橋であり、Antigen(抗原)という一本の線が引かれていますね。この一本の橋の線が抗原であり、その橋にぶらさがっているのが抗原のエピトープであります。コロナウイルスのスパイク抗原(Spike Antigen)を一本の線の橋とみなして下さい。もちろんFDC細胞の手助けはまったくないので、コロナウイルスに対するIgM抗体だけが作れる可能性を示しているだけです。

世界中の全ての製薬メーカーがこのIgM抗体をIgG抗体であるかのような喧伝をやっていますが、たしかにIgM抗体が作られるのは確かです。抗体ができるという新聞記事は、あくまでもIgM抗体であるので、消えてしまうことがあることは当然なことなのです。しかしIgG抗体が決して作れないことや永久免疫が永久にはできないこと、つまり本当のワクチンができないことについては一言も触れいていないのは残念ですね。

何回も書きますが、ワクチンができるウイルスは、一回感染すると二度と同じ病気にならないという証拠が必要なのです。ところが今回のコロナウイルスは、一度かかっても再び感染することが世界中で報道されていますね。皮肉を言えば、ワクチンができるウイルスに感染することが、最高のワクチンになるのですがね。アッハッハ!しかし危険がありますね。

上の2つ絵図について追加説明を加えておきましょう。一本の線でAntigenと示されている抗原が、コロナウイルスの抗原(Virus Antigen)であり、このAntigenの線に数多くの薄赤の丸印がつけられているのがコロナウイルスの抗原のエピトープであり、エピトープ(epitope)にBCR(B細胞受容体)との結合に加えて、さらにB細胞のオレンジ色の棒状の補体レセプターが抗原と結合して2つの刺激によってB細胞が活性化され、その情報が核に伝えられ、膜IgM抗体(BCR)が分泌IgMを作るようになるのです。このIgM抗体の仕事は五量体になって補体を活性化することが1つで、かつ分泌抗体になったIgM抗体が血中に流れて、上手くいけばコロナウイルスと出会ってコロナのエピトープと結びつけば、感染の初期に中和作用としての働きが発揮されて、呼吸器感染症としての新型コロナウイルス(SRAS-CoV-2)が、呼吸器粘膜の細胞に感染しないようにすることもあり得ますが、あくまでもこのIgM抗体はmRNAワクチンが望む必要に応じて記憶免疫が作る永久抗体ではないのです。しかしワクチンとしては一時的には効果があるように見えますが、フェイクワクチンですね、アッハッハ!

すでに説明したように上図のエピトープ(epitope)というのは、コロナウイルス抗原の最小単位であり、抗体は新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2などと結合する時、抗原の比較的小さな一部分のみを認識して、そのエピトープと結合する抗体の部分がパラトープ(Paratope)なのです。従って抗原と結びつくという表現は本来は正確ではなく間違いで、実は抗原の微小な一部であるエピトープとBCR(B cell receptor)の一部であるパラトープと結びつくのです。エピトープという言葉が難しいので簡単で大雑把な抗原という言葉でエピトープの代わりに用いるようになったのです。医学で一番難しいのは命を守る奥深すぎる免疫学なのです。私は、自分の若年性ヘルペス性脳炎という病気が進行しないようにしてくれた免疫を完全に理解すべく、楽しみながらこのように免疫学を勉強し、その成果を皆さんにAPCと同じように提示しているのです。アハハ!

ちなみにB細胞が補体のレセプターを持っているのは、B細胞自身がAPC(抗原提示細胞)であるので、樹状細胞と同じく補体のレセプターを持っているのは当然のことなのです。この補体のレセプターは、先に示したように、Co-receptor(コ-レセプターと読み、補助受容体)と言います。Co-receptorを共受容体と訳している医学書もありますが間違いです。何故ならば、補体のレセプターはあくまでもBリンパ球のBCRの働きを補助するので補助受容体と訳すべきなのです。

Co-stimulationという英語がありますが、これも共刺激と訳すのも間違いであり、正しくは補助刺激と訳すべきなのです。何故ならばヘルパーT細胞のCD40LがAPCであるB細胞のCD40と結合してB細胞を活性化する働きを補助的に手助けしているのでCo-stimulationは補助刺激と訳すべきなのです。

架橋のもう1つの例としては、アレルギーを起こす細胞である肥満細胞や好酸球や好塩基球にアレルギー抗体であるIgEが、結びついて、さらに大量のアレルゲンがIgEにひっついたというシグナル(信号)が核に伝わります。するとかゆみの原因となるヒスタミンが大量に肥満細胞から放出されてアレルゲンを体外から除去しようとするのです。

この時に細胞の膜に埋められているレセプターというのは実は膜の中で自由に移動が可能となり一カ所に集中するのです。このように受容体が集まることがクラスター(cluster)と言い、日本語で受容体の群れと訳します。レセプターを持っているすべての細胞はたくさんの情報を核に伝えるためにクラスターが起こっているのです。たとえばB細胞であるレセプターの膜抗体の細胞膜に埋めこまれているFc部分が近寄ることを膜抗体であるIgM受容体のクラスターといいます。一方、IgM膜抗体の細胞外に出て抗原と連続的に結びつく橋のように見えるのをクロスリンキング(cross linking)といい、架橋と訳すのです。BCRは実際には言うまでもなく連結しているわけではないのですが。したがってクロスリンキングとクラスターは同じ事と言えます。架橋という言葉は、化学反応において主に高分子化学においてポリマー同士を連結することです。免疫学における架橋という意味は、抗原に抗体が連続的に引っ付いているだけで、抗体自身が連結しているわけではないのです。

それではBCR(B cell receptor)やTCR(T cell receptor)は何のためにクラスターやcross linkingが免疫が進化して生まれたのでしょうか? 

BCRのクロスリンキングとクラスターを取り上げて説明しましょう。

活性化シグナルを生み出すためには多くのBCRがB細胞の表面に密接に集まらなければならない必要があったからです。BCRがクラスター(群がる)するときに同時にクロスリンキング(連結)が生じているのです。抗原というのは、一連のアミノ酸の何回も繰り返されるタンパクから成り立っています。BCRは何も漠然と抗原と結合しているのではなくて、このように何回も繰り返される特異的なアミノ酸であるエピトープを認識しているのです。実際、抗原である細菌やウイルスや寄生虫の表面はいくつかの異なったタンパクのコピーから成り立っているのです。B cellのレセプターがこういうタンパクにあるエピトープを認識するとたくさんのBCRがクラスターするのです。BCRのクロスリンキング(架橋)はB cellの活性にとっては絶対に必要であるのです。何故でしょうか?さらに詳しく説明しましょう。今までは細胞膜の表に出ているY字型の抗体の頂上の2つの手の話ばかりでしたが、細胞の中に突き出ている尻尾がどのようになっているかについての話がまだでした。尻尾のタンパクはIgαとIgβというタンパクから成り立っています。抗原が両手のタンパクのH鎖とL鎖と引っ付いたという情報を細胞の中の核に伝えるために、このIgαとIgβは細胞の中にあるシグナルタンパク(信号を伝えるタンパク)と相互作用する必要があります。十分な相互作用が一カ所で集中したときに初めて酵素的な連鎖反応が開始され、細胞の核に信号を送ることができるのです。この信号伝達を送ることができるのは細胞の内のたくさんのIgαとIgβという分子が集まらなければならないのです。これがまさにB cell receptorのクロスリンキング(架橋)が行っている仕事なのです。つまりBCRのクラスター(集結)は充分なIgα分子とIgβ分子を密集させて、BCRに抗原が引っ付いたというシグナルを送る酵素的な鎖のような連続した反応を開始させることができるのです。

このように細胞内にあるレセプターの尻尾の多数のIgαとIgβが移動し密集するクラスター(集団)になると同時に細胞の外に出ているレセプターのYの両手が架橋すると、単独のレセプターが核に抗原と結びついたという情報を核に伝える力が100倍以上も強力になるのです。それでは難しすぎますがどのようにしてB細胞受容体がどのようにしてシグナル伝達を行うかを少し勉強しておきましょう。

上にB細胞受容体シグナル伝達経路の概略図を私自身のために掲載し、簡単な説明を加えておきます。

B細胞抗原受容体(B cell antigen receptor、BCR)は、膜結合型IgM免疫グロブリン(membrane immunoglobulin 、略してmIg)分子と、それに会合したIgα(CD79a)とIgβ (CD79b)ヘテロ二量体から成り立ちます。会合とは、同種の分子が分子間力によって2個以上結合し,一つの分子(単位)のように行動する現象であり、このような分子単位を会合体と呼びます。単位を構成する分子数によって二量体,三量体などと呼び、IgαとIgβは二量体になっているのです。mIgサブユニットは抗原に結合して受容体の凝集を起こし、一方でα/βサブユニットは細胞内へ向けてシグナルを伝達します。サブユニットとは、いくつかの分離できるタンパク質から成り立っているタンパク質の一つ一つのタンパク質です。mlgサブユニットはH鎖とL鎖であり、IgαとIgβ二量体はサブユニットはIgαとIgβになります。BCRが凝集(クラスター)すると、ただちにSrcファミリーキナーゼであるLyn、Blk、Fynキナーゼと、チロシンキナーゼであるSyk、Btkを迅速に活性化します。キナーゼとは、リン酸化酵素とも呼ばれ、リン酸基を有するATPなどの分子から別の基質あるいは分子にリン酸を転移する酵素です。続いて細胞内シグナル伝達に必要なシグナロソームと呼ばれる異なった機能をもったタンパク質の複合体の形成が始まります。その複合体(シグナロソーム)にはBCR、チロシンキナーゼや、アダプタータンパク質であるCD19とBLNKなど、さらにシグナル伝達酵素であるPLCγ2、PI3K、 Vavなどが含まれます。このシグナロソームから発せられるシグナルは、キナーゼやGTPase、転写因子などの多数のシグナル伝達カスケードを活性化します。その結果、細胞代謝、遺伝子発現、細胞骨格の構成などが変化を受けます。細胞骨格(cytoskeleton,略してCSK)とは、細胞質内に存在し、細胞の形態を維持し、また細胞内外の運動に必要な物理的な力を発生させる細胞内の繊維状構造で、細胞内での各種膜系の変形や移動や細胞小器官の配置に関わります。

BCRシグナル伝達はサイトカインシグナル伝達のメカニズムと同じくらいに極めて複雑すぎるのでありますが、細胞の生存、アポトーシス、増殖、B細胞の抗体産生細胞、メモリーB細胞への分化などの多様な作用をもたらします。核にシグナルが伝わった後の最終的な結果は、細胞の成熟度、抗原の性質、BCRシグナル伝達の強度と持続時間、CD40やIL-21受容体、BAFF-Rなどといった他の受容体からのシグナルによっても大きく影響を受けます。他の多くの膜貫通型タンパク質は、その一部が受容体であり、BCRシグナル伝達の特異的な構成タンパク質に影響を与えます。上の図で示されたCD45、CD19、CD22、PIR-B、およびFcγRIIB1 (CD32) などがBCRシグナル伝達の特異的な構成タンパク質です。

BCRシグナル伝達の強度と持続時間はLyn/CD22/SHP-1経路、Cbp/Csk経路、SHIP、Cbl、Dok-1、Dok-3、FcγRIIB1、PIR-BおよびBCRの内部移行などが影響を与えます。シグナル伝達を抑制する負のフィードバックループによって調節されています。負のフィードバックループ(feedback loop)というのは、フィードバックを繰り返すことで、結果が減少されていくことで、正のフィードバックループは、結果が増幅されていくことです。BCRのような膜型のIgMに抗原が結合して、B細胞が活性化されるには、抗原がBCRを刺激して誘導される細胞骨格の再構築も必要です。サイトカインの受容体シグナル伝達経路を理解するのは最も難しいのですが、それに劣らずB細胞受容体シグナル伝達経路をすべて完全に理解するのは難しすぎますが、さらに勉強した情報をお伝えします。乞うご期待!

上 に抗体の構造と役割の絵図を掲載しておきます。リンパ節でIgM抗体が作られた後に、そのIgM抗体によってオプソニン化されたSARS-CoV-2ウイルスは、補体によってオプソニン化されたウイルスがFDC(Follicular Dendritic Cell)の表面に保持されるようにオプソニン作用を持っている抗体によっても当然保持されます。というのは、FDC(濾胞樹状細胞)は抗体の定常領域(Fc)に結びつくことができる受容体があるからです。オプソニン作用というのは補体と抗体が担う一番重要な作用の1つであることは皆さんご存知ですね。

鼻粘膜や口腔粘膜や上気道の粘膜や下気道の粘膜から侵入したコロナウイルスは、このような粘膜組織に大量に見られる補体や感染初期のみに作られるIgM抗体に捕まえられます。これを補体や抗体によるオプソニン作用といいます。さらに補体や抗体のレセプターを持っている組織に、コロナウイルスを見つけ出す斥候(見張り)として常駐している樹枝状細胞(Dendritic cell、略してDC)に捕捉されます。補体や抗体によってオプソニン化(DCに食いつかれやすくされる味付け作用)された抗原をリンパ節まで運ぶこともご存知ですね。

下のリンパ節の絵図を見てください。T cell Area(Paracortex)とB cell Area(Cortex)の境界あたりに待ち構えているFDCと出会うと、FDCがDCに乗せられてきたオプソニン化されたコロナウイルスの抗原がFDCによって奪い取られるのです。何のためでしょうか?リンパ節の濾胞に存在するB細胞に奪い取った抗原を見せるためなのです。FDCは、補体から奪い取った大量の抗原をB細胞に提示することによってB細胞を活性化させる手助けをするのです。DCの極めて大事な仕事の1つは、オプソナイズされた(味付けられた)Antigenを、リンパ節に運び、FDCに奪い取られる仕事については、免疫学者はしばしば見落としているようです。

しかし、もちろんB細胞が作る抗体が一過性(消失性)のIgMから長期性(生涯性)のIgGを作るために、ヘルパーT細胞(Th)が登場するのです。左の図のリンパ節の絵図の中にT cell Area(Paracortex、訳して傍皮質)と名づけられた青い帯状の部分がありますね。ここがT細胞の存在場所なのです。さらにB cell Area(Cortex、訳して皮質)と書かれた白い部分がB細胞の住処です。B細胞の領域にB細胞がとりわけ多く集まっている部分がリンパ濾胞(Lymphoid Follicle)は体中に張り巡らされているリンパ管の“道の駅”のように体中のあらゆる組織に大小取り交えて500個以上も存在しています。

それではナイーブTh細胞はリンパ節のどの部位でDCによって、どのように活性化され、Tfhに成熟し、かつB細胞をリンパ節のどの部位で出会い、どのようにTfhがB細胞を活性化するのでしょうか?  リンパ節で活性化されたTh細胞はTfh(濾胞ヘルパーT細胞)と言います。一言でいうと、まずTh細胞とB細胞とがCognate Antigen(共通認識抗原)と言われる抗原を同時に認識することによってTh細胞のレセプターとB細胞のレセプターとが、まず結合することによってThはTfhになることから始まります。もっと具体的に説明しましょう。

とにかく骨髄で産生されたヘルパーT細胞にしろ、B細胞にしろ、キラーT細胞にしろ、すべての抗原と出会ったことがない上の3つの細胞の前にバージンとかナイーブとかunexperiencedという未経験だという意味の言葉が付きます。一方、抗原と出会ったことのある細胞をexperienced cellといい、抗原に出会う経験をした細胞という意味となります。

B細胞が増えると、濾胞は成長し始め、一次リンパ濾胞は胚中心(germinal center)といわれる二次リンパ濾胞に成長します。B細胞が胚中心(germinal center)で増殖していく時に、共通認識ができる抗原を認識できるヘルパーT細胞から手助けを受けなければ、B細胞はアポトーシスで死んでしまうのです。ここでB細胞に共通抗原を提示してB細胞が自殺するを防ぐのが濾胞ヘルパーT細胞(Follicular helper T cell、略してTfh)なのです。B細胞を自殺から救い出すことができるのです。

重複しますが、骨髄で作られたT細胞やB細胞がどのようにしてリンパ節に運ばれて幾のでしょうか?  リンパ管から500個以上もあるリンパ節へと寄り道をしながら自分のレセプターにぴったい合う抗原(Cognate Antigen)を探すためにリンパや血液に乗って運ばれています。このようにT細胞やB細胞のレセプターにぴったり合う抗原を英語でCognate Antigenといい、日本語に訳すと共通認識抗原となり、T細胞やB細胞のレセプターの2つが共にぴったり合う共通の抗原を提示してくれるDCを見つけ出す場所が、二次リンパ器官の1つであるリンパ節なのです。これからCognate Antigen(共通認識抗原)という言葉をしばしば使いますからしっかり覚えて下さい。

組織で敵と出会った樹枝状細胞(Dendritic cell、DC)がその敵の抗原をリンパ節に運びます。敵を運ぶ仕事が樹枝状細胞の主要な仕事なのです。これから樹状細胞の名称は正式には樹枝状細胞ですが、今後は樹状細胞で統一します。T細胞やB細胞はCognate Antigen(共通に認識される抗原、つまり共通認識抗原)を求めてリンパ液や血液に乗って体中のリンパ節を漁り回っているのです。これらのリンパ球は一日で体中をひとまわりできると言われます。その途上で立ち寄ったリンパ節でDCが運んでくれるCognate Antigen(共通認識抗原)と出会ってしっかり結びつくと、まず活性化されたB細胞は分裂することによって増殖し、その数をどんどん増やし続けていきます。同じようにB細胞を手助けするヘルパーT細胞(Th)も、ひとたびCognate Antigen(共通に認識される抗原)と出会うと活性化され分裂し、2倍3倍…と増殖し始めます。抗原が二次リンパ器官であるリンパ節にリンパ液や血液に乗って運ばれる形は4つあります。まず1つ目が裸の抗原そのものとして、つまりウイルスそのものとして、2つ目がAPC(抗原提示細胞)に乗せられて、3つ目が補体や抗体によってオプソニン化(味付け化)され、コロナウイルスと戦う様々な組織から運ばれてくるのです抗原として運ばれます。APCであるDCのMHCⅡに抗原のペプチドと結びつけた複合体をThに提示するために運ばれる場合と、あるいはオプソニン化された抗原をFDCによって捕まえさせてB細胞に提示するための2つの場合があることはすでに述べました。復習しておきましょう。DCはヘルパーT細胞に抗原を提示する仕事を、一方FDCはB細胞に抗原を提示する違った仕事をしているのです。混乱しないでください。

上図を見て下さい。リンパ管を流れてきたリンパは、リンパ節に到達すると輸入リンパ管(Incoming Lymphatic)からリンパ節に入っていきます。リンパによって運ばれてきたオプソニン化された抗原はMarginal Sinus(辺縁洞)の穴から通り抜けて、Cortex(皮質)に入り、次にParacortex(傍皮質)入り、補体によってオプソニン化された抗原がリンパ節でB細胞やFDCに認識されなければ、最後はMedullary Sinus(髄洞)から輸出リンパ管を通って素通りしてリンパ節を離れて出ていくのです。Sinusというのは、Cavityとも言い、空洞や穴という意味です。

Marginal Sinus(辺縁洞)の壁は、コロナウイルスがリンパ節に侵入する時に捕まえて貪食しようとする大食細胞で貼り付けられています。大食細胞が貪食してくれるので適応免疫系が処理すべきコロナウイルスの数が減ります。その結果、血流に流れていくコロナウイルスが減る手助けをしてくれます。したがってリンパ節の重要な機能は、リンパに入り込んでいるコロナウイルスを濾過して血流に流さないようにしてくれます。それでは上の図で赤い線の小動脈に流れているT細胞やB細胞はどの部位からリンパ節に入ってくるのでしょうか?  それはT cell AreaにあるHEVと書かれている特別な血管壁を通ってT cell Area(Paracortex)からリンパ節にB細胞、T細胞が入りこんでくるのです。HEVについての説明は後で書きます。このT cell AreaはT細胞が蓄積するところであり、輸入リンパ管や小動脈の毛細血管からも流れ出てきたDendritic cell(DC)はこのT cell Areaにもたくさん存在しています。一方、輸入リンパ管から流れ出たB cell Area(Cortex)に集まっています。このB cell Area(Cortex)はリンパ濾胞が存在しているところです。このリンパ濾胞にこそ、リンパ樹状細胞(FDC)がB細胞にDCが持ってきたオプソニン化した抗原を見せるためにリンパ濾胞を住所としているのがFDCです。言い換えると、リンパ節はAPCやTリンパ球やBリンパ球やマクロファージや、かつオプソニン化された抗原を満載しているFDCの5つの免疫のプレイヤーが集まる場所なのです。しかも、この5者のプレイヤーともすべて同じCognate Antigen(共通認識抗原)を認識することができるお互いに協力し合う仲間と言えます。

リンパ濾胞でB細胞がFDCによって提示されたCognate Antigen(共通認識抗原)を見つけ出すとBCRのレセプターとFDCによってオプソニン化されたCognate Antigen(共通認識抗原)の複合体は一緒にB細胞の細胞内に取り込まれます。ひとたびB細胞に取り込まれてしまうやいなやCognate Antigen(共通認識抗原)はB細胞によって酵素的に消化されてMHCⅡ分子の上に乗せられてT細胞に見せるためにB細胞の細胞膜に提示されます。しかしながらB細胞が十分に成熟するためにはB細胞はFDCからCognate Antigen(共通認識抗原)をもぎ取った後、T細胞の持つCD40Lのタンパクの手助けが必要なのです。このCD40LこそB細胞を刺激するCo-stimulation(補助刺激)となることはすでに述べました。このTh細胞のCD40LのCo-stimulation(補助刺激)はB細胞の表面に存在するCD40と結びつくのです。Th細胞だけがこのCo-stimulation(補助刺激)をB細胞に提供することができるのですが、一方Th細胞の方もAPCであるB細胞が自分に提示するCognate Antigen(共通認識抗原)がなければ十分に成熟できないのです。皆さんはB細胞は抗体を作るだけの仕事が多いと思いですが、実はB細胞はMHCⅡ分子を持っているAPCの仕事もこのリンパ濾胞で発揮できるのです。Bリンパ球はFDCからCognate Antigen(共通認識抗原)を奪い取る一方で、今度は奪い取ったこのCognate Antigen(共通認識抗原)をThに見せることによってThをTfhまで成熟させることができるのです。ややこしいでしょう。しかし極めて面白いでしょう。こういう離れ業ができる場所を提供しているのが、リンパ節のリンパ濾胞であり、最終的にはこのリンパ濾胞の中でコロナウイルスに対して効果的な抗体を作れるBリンパ球を増やすための成熟しきった特定の場所がリンパ濾胞の胚中心(germinal center)なのです。仕事が終われば胚中心も消えてなくなるのです。

さらにTh細胞がB細胞を助けるのみならず、Th細胞の方もB細胞の手助けが必要なのです。それはTh細胞がTfh細胞まで成熟するにはB細胞がもつB7タンパクとB細胞膜の上にあるICOSLタンパクの手助けが必要なのです。このB細胞のB7タンパクと未熟なTh細胞のCD28と結びつくと同時にB細胞のICOSLタンパクは同時にTh細胞のICOSタンパクと結びつく必要があるのです。ICOSは英語で Inducible Costimulatorであり、Inducible(誘導される)のIと Costimulator のCosをとってICOSと名づけたのです。日本語で訳すと、誘導補助刺激分子となります。Costimulatorは共刺激分子や副刺激分子と訳されることが多いのですが、正しくは補助刺激分子です。

 

非常に詳しく書きすぎたので整理しましょう。まず、Cognate Antigen(共通認識抗原)を持ったナイーブT細胞とナイーブB細胞が最初にリンパ節のT cell Area(Paracortex)とB cell Area(Cortex)で出会いますと1時間かかって、形質細胞になったいくつかのB細胞は増殖し、初期の親和性の低いIgM分泌抗体を生み出します。もちろん、1時間の出会いでこのような形質B細胞はクラススイッチやSomatic hyper-mutationされることはありませんが、初期の感染に対して素早く対抗できます。他の形質細胞にならなかったB細胞と境界でThはリンパ濾胞へと一緒に移動します。そこでB細胞とThはお互いに助け合いながらTh細胞とB細胞は、Th細胞の上にあるCD40LとB細胞のCD40が結びついて相互に手助けしながら、かつB細胞のMHCⅡとB7とICOSLはTh細胞を手助けしてTh細胞をTfhに成熟し、さらにどんどん増えていくB細胞は一次リンパ濾胞を二次リンパ濾胞に変えて、つぎに二次リンパ濾胞の一部を胚中心(germinal center)に変えて、最後は増えすぎたB細胞が胚中心(germinal center)の一部をダークゾーン(暗帯とか、暗領域)に変えてしまいます。この胚中心(germinal center)のダークゾーン(暗領域)でクラススイッチと体細胞超変異(Somatic hyper-mutation)が起こるのです。

ここでヘルパーT細胞(Th)とB細胞(B cell)との関係をまとめておきましょう。最終的にThとB cellはどんな分子によって結合することによってクラススイッチをし、体細胞突然変異を起こすのかをまとめましょう。全部でThとB cellのそれぞれ5種類の分子同士が結びつく必要があります。1つ目がThのTCRとB cellのMHCⅡに乗せられたペプチド、2つ目がThのCD40LとB cellのCD40、3つ目がThのCD28とB cellのB7、4つ目がThのICOSとB cellのICOSLの4つです。

さてヘルパーT細胞の手助けがなければメモリーB細胞ができないのでしょうか?

 B cellがメモリーB cellになるためにはThのCD40LがB cellのCD40に結びついてThからCD40Lという co-stimulation molecule(補助刺激分子)の手助けが絶対に必要であるからです。なぜなのかはまだ解明されていませんが、実験的に知られている事実です。逆にメモリーT cellが生まれるためにはB cellのB7がT cellのCD28に結びつかなければ生まれないのではないかと考えています。というのはB7はT cellに対してはco-stimulation moleculeとなっているからです。メモリーT cellは、T cellのCD28にB cellのB7が結びついたという経験を記憶しているT cellが永続して生き続けていると考えています。しかもB cellのみならず、全てのAPCが発現していますから、機会あるごとにこのメモリーT cellは非特異的に刺激され続けるので、メモリーT cellとして生き続けるのではないかと考えています。と同時に、このメモリーT cellは特異的な抗原を認識したT cell receptorに結びついた刺激を、決まり切ったFc部分のIgMというFcの遺伝子をIgGのFcの遺伝子に置き換えるだけであります。ところがハイパーミューテーションはクラススイッチをした後のFabの遺伝子のアトランダムな組み替えによって敵と結びつく親和性がある閾値を超えてしまうほどの強い親和性を持つほどのFabを持つようになったT細胞がメモリーT cellとして永遠に生きるのではないかと考えています。一方、メモリーB cellができるのは、このメモリーT cellが

共刺激とは何でしょうか?なぜ共刺激は非常に大切なのでしょうか? 

共刺激は英語でco-stimulation といい、その共刺激を与えることができる分子をco-stimulation moleculeといいます。co-stimulation moleculeの正しい訳は副刺激です。抗原提示細胞(APC)に抗原提示されるだけの一次的な刺激だけではTリンパ球は活性化できないのです。さらに免疫応答を実行するためには適応免疫細胞が必要とする非特異的な二次シグナル(co-stimulation signal)が絶対に必要なのです。APCの表面にある非特異的なB7というタンパクがT細胞のCD28に結びつく必要があるのです。さらにT細胞が増殖し分化し成熟し生存をし続けるためにはもう1つ別の補助刺激がBリンパ球のもつICOSLであります。このICOSLに対するT細胞の補助刺激受容体がICOSであります。ICOSは英語で Inducible Costimulatorであり、Inducible(誘導される)のIと Costimulator のCosをとってICOSと名づけたことは既に述べました。このBリンパ球のICOSLとTリンパ球のICOSの関係はどちらもリンパ球であるので適応免疫同士の関係と思われますが実は間違っています。なぜならば、Bリンパ球のICOSLはBリンパ球がAPCとしての仕事としてICOSLを用いているのです。したがってICOSLを stimulation 分子として言うべきであるのですが、免疫学者はこの意味を理解していないようです。残念ですが。アハハ!

T細胞に必要な補助刺激がなくなればどうなるでしょうか? 

T細胞の増殖、分化、生存に必要なのはAPC(樹状細胞や大食細胞)が提示する抗原を認識するだけではなく、APCの持つB7というタンパク質の補助刺激であります。この補助刺激(co-stimulation)によってT細胞が刺激されなければ、このT細胞はアネルギーという状態となり、死んでしまいます。生き続けて仕事をするためには、補助刺激のB7が絶対に必要です。

または免疫寛容の発達につながる可能性があります。 B細胞共刺激 後者の場合、抗原特異的Th2細胞またはTfh細胞による認識が誘導され、TCRがMHC-抗原複合体に結合することでB細胞が活性化されます。その後、Th2細胞上でCD40L(CD154)が合成および提示され、B細胞上のCD40に結合するため、Th2細胞はB細胞を共刺激することができます。この共刺激がなければ、B細胞はそれ以上増殖できません。B細胞の共刺激は、補体受容体によって代替的に提供されます。微生物は補体系を直接活性化し、補体成分C3bが微生物に結合する可能性があります。C3bがフラグメントiC3b(C3bの不活性誘導体)に分解された後、C3dgに切断され、最後にC3dに切断され、微生物表面に結合し続けます。B細胞は補体受容体CR2(CD21)を発現して、iC3b、C3dg、またはC3d。この追加の結合により、B細胞は抗原に対して100〜10,000倍感受性が高くなります。成熟B細胞上のCR2は、CD19およびCD81と複合体を形成します。この複合体はB細胞補助受容体と呼ばれます抗原に対するそのような感受性増強のための複合体。アプリケーション アバタセプト(オレンシア)は、関節リウマチの治療に承認されたT細胞共刺激モジュレーターです。サイトカイン活性化T細胞によって分泌されるが、両方と考えられる開始および関節リウマチに関連した免疫学的に駆動される炎症を伝播します。可溶性融合タンパク質であるオレンシアは、完全なT細胞の活性化に必要な共刺激シグナルを変化させることによって機能します。Belataceptは、腎移植で使用するための拒絶反応抑制薬としてテストされている別の新しい分子です。 新しい共刺激超アゴニスト 薬であるTGN1412は、ロンドンのノースウィックパーク病院での臨床試験の対象でした。6人のボランティアが薬を与えられてから数分以内に重病になったので、裁判は論争に巻き込まれました。 本質的に、共刺激分子は、T細胞と相互作用する「点滅する赤色光」として機能し、樹状細胞材料によって提示されている材料が危険を示していることを伝えます。抗原を提示しながら共刺激分子を表示する樹状細胞は、T細胞を活性化することができます。対照的に、共刺激分子を表示しない樹状細胞によって提示された抗原を認識するT細胞は、一般にアポトーシスに駆り立てられるか、または抗原との将来の遭遇に反応しなくなる可能性があります。

そ れでは上絵図に B cellとTh cellがどのような分子同士と結合して相互に刺激しあっていたか、またしているかを一目でわかるように示しました。B cellが提供する分子は上からMHCⅡとB7とICOSLとCD40の4つです。Th cellが提供する分子は上からTCRとCD28とICOSとCD40Lの4つの分子です。ICOSは英語でinducible co-stimulatorとかinducible T-cell co-stimulation molecule で略してICOSといい、日本語では誘導性補助刺激分子と訳します。ICOSLは英語でinducible co-stimulator ligandで略してICOSLです。 co-stimulatorという英語の正しい訳は補助刺激分子です。

B cellとTh cellはそれぞれ4種類の分子同士の結合は同時でなくてもいいのですが必要です。刺激さえすればいいのです。その内ThがB cellを補助する(助ける)結びつきは2つあります。1つ目がThのTCRがB cellのMHCⅡと黄色い丸印のペプチド複合体と、2つ目がThのCD40LがB cellのCD40と結合して刺激してTh cellがB cellをヘルプ(補助)しています。これらの結合はずっと結びついているのではなくて刺激されれば離れてもいいのです。いや、離れるべきなのです。そうでなければそれぞれの細胞が自由に動き回ることができなくなるからです。

次にB cellがTh cellを刺激する手助け(補助)をする結びつきは、1つ目がB cellのMHCⅡと黄色い丸印のペプチド複合体(抗原)をTh cellのTCRに提示することによって刺激して、T細胞はAPCであるB細胞に敵を認識させられています。皆さん、B cellは抗体を作る専門家であるはずなのにDC(樹状細胞)と同じようにMHCⅡタンパクにペプチド複合体を作り、Th cellに抗原である黄色い丸印のペプチドをMHCⅡに乗せて提示することができるのは不思議に思いませんか?実はB細胞もAPCの一つなのです。それはMHCⅡを持っている細胞がAPCの定義であり、B cellもMHCⅡ分子を持っているのでAPC(antigen presenting cell、訳して抗原提示細胞)の1つであるからです。実はB cellは4つの仕事ができます。1つ目が抗体産生工場であり、2つ目が抗原提示細胞(APC)でもあり、3つ目がB cellのB7がTh cellのCD28に結びつくことでB cellはTh cellを刺激する手助け(補助)をしているのです。4つ目は、B cellのICOSLがThのICOSに結びつくことによってB cellはThに対する補助刺激分子となっているのです。このようにリンパ節の胚中心において役割は異なりますが、Th cellとB cellがそれぞれ相互に刺激し合い、補助し合って、IgG抗体産生のみならず、メモリーB cellとメモリーヘルパーT cellとメモリーキラーT cellを作り出しているのです。その相互刺激作用のための結びつきはTCRとMHCⅡと黄色い丸印のペプチドの複合体が出発点となっているのです。つまりT細胞の受容体であるTCRに抗原提示細胞(APC)のMHCⅡ分子に乗せられた病原体のペプチド断片を乗せて、この敵をT細胞に見せることによりT細胞が活性化されることからすべての相互作用が始まるのです。ややこしいですが、いかに人体から免疫が守っているかがお分かりになるでしょうか?にもかかわらず、残念なことにこの世にありもしない自己免疫疾患を作り立てて病気づくりに専念している医薬業界に激しい憤りを感じるのは間違いでしょうか?アハハ!

以上を述べたようにThとB cellは助けてもらったり、助けたりして、結局は相互に助け合うことによって、最終的にはB cellが抗体のクラススイッチをし、かつ体細胞突然変異を行うことが可能となるのみならず、メモリーB cell、メモリーヘルパーT cell、メモリーキラーT cellの全ての免疫記憶細胞を生み出しているのです。皆さん、全部理解し、覚えられますか???

それではどのようにしてキラーT細胞が活性化され、メモリーキラーT細胞が生まれるのでしょうか?基本的には今まで説明してきたメモリーB cellが形成されるのと同じ原理ですから、理解は容易いと思います。アハハ!すいません。

既に述べたのですが、メモリーキラーT細胞が生まれるためには、3つの大食細胞や樹状細胞やB細胞などの抗原提示細胞(APC)に直接にウイルスが感染しなければ、絶対に記憶キラーT細胞は生まれないのです。なぜならば、APCに感染しない限りは、ウイルスが極めて危険な病原体であるという証拠となる人間が持っていなくてウイルスなどが持っている独自のRNAやDNAや、さらにこれらの遺伝子が作らせる人間が持っていないタンパクを危険な異物として38億年かけて人類の免疫の遺伝子に覚え込ませた敵の特徴があります。この特徴をPAMP(Pathogen-associated molecular patterns、訳して病原体関連分子パターン)敵として認識するPRR(pattern-recognition receptor訳して、パターン認識受容体)が認識されないからです。さらに病原体と戦った後、傷害を受けて細胞に見られる独特なもう1つDAMP(damage-associated molecular pattern 、訳して傷害関連分子パターン)という病原体との戦いの証拠がPAMPと同じく遺伝子で記憶されているDAMPについても後で詳しく説明します。

それではまずPAMPとは何でしょうか?なぜそんなに大事なのでしょうか?それは自己免疫性疾患がないという証拠の1つとなるからです。38億年の免疫の進化において、自己の遺伝子が成分を異物と認識したことはないにもかかわらず、現代の医学は敵として認識する必要がないどころか人間の生命を存続させてくれる自己の成分を攻撃する自己免疫は存在し得ないにもかかわらず、自己免疫性疾患を捏造して資本主義医療を恥ずかしげもなく展開し続け、病気を作り続けています。アハハ!この笑いは皮肉で悲しい笑いです。アハハ!  

自然免疫における病原体の認識 PRRのレパートリーは非常に広範であり、同様に、PRRによって認識される病原体のクラスは非常に多様です。なぜ自然免疫だけがPRRを持っているのでしょうか?それは後天免役はPRRという自然免疫の働きによって敵を認識してもらって、初めてその敵を殺すなり共存するなりの処理を効率よくするだけの仕事をしているだけです。病原体などの敵を認識してくれるのは自然免疫しかないからです。

産まれ持った自然免疫しかできない病原体認識の中心的な特徴は、生化学的組成がまったく異なり、ライフサイクルもまったく異なるウイルスや細菌などの微生物が、宿主である人間のPRRによる様々の類似したメカニズムによって認識されることです。さらに、このPRRのシステムの重要な特性は、単一の種類の病原体が1つのタイプのPRRによってのみ感知されることはないということです。むしろ、多くの異なるPRRがさまざまなPAMPを介して特定の病原体を認識することができるので、その認識に基づいて反応する適応免疫が迅速で強力な戦いを始めることができ、その炎症反応の特異性も可能になります。

この世の病原体で一番強敵なのは、細胞に感染せざるを得ないウイルスなのです。SARS-CoV-2はまさに世界中を大混乱に陥れているのはウイルスであるからです。ウイルスを認識したPRR活性化は、感染を効率的に除去する抗ウイルス免疫で応答するのですが、残念ながら人間の免疫よりもウイルスの方が遥かに狡猾であるので殺すことができないのみならずワクチンもできないのです。

ウイルスは、表面糖タンパク質、DNA、RNAなど、構造的に多様なPAMPを多数持っています。これらの免疫を刺激してくれるDNAやRNAなどのヌクレオチドは、感染性ビリオンのみならず、ウイルスの遺伝子複製中やビリオン複製中に産生されます。宿主は広範囲のウイルスのヌクレオチドを認識できるセンサーを保有しているので、ウイルスDNAはTLR9とDAI(DNA-dependent activator of IFN-regulatory factorsで、訳してDNA依存性インターフェロン調節因子活性化分子)によって認識されますが、ssRNAはTLR7とTLR8によって検出され、最後にdsRNAと5′-三リン酸RNAがRLR、TLR3、PKRを活性化します(261)。ssRNAは一本鎖のRNAで、dsRNAは二本鎖のRNAです。さらに、いくつかのウイルス糖タンパク質がTLR2およびTLR4によって認識されます。例えば、RSV(Respiratory syncytial virus、訳して呼吸器合胞体ウイルス)の融合タンパク質はTLR4を活性化します。TLR2は単純ヘルペスやサイトカインウイルスなどを含む様々なウイルスによって活性化されます。さらにTLR2は麻しんウイルスのヘマアグルティニン(hemagglutinin)などの成分によって活性化されます。免役応答の開始はウイルスのPAMPがその受容体であるPRRに結合するところから開始されるのです。

単純ヘルペス(HSV)のPAMPがどのように自然免疫のPRRによって認識されるのでしょうか? 

HSVは、HSV-1とHSV-2の2つのタイプがあり、どちらもエンベロープをもったDNAウイルスです。この単純ヘルペスのHSV-1とHSV-2のウイルスは、歯肉口内炎、口唇ヘルペス、性器ヘルペスから、重篤で致命的な脳炎、髄膜炎、新生児ヘルペスまで様々な感染症を引き起こします。HSV感染中、細胞の種類とウイルス複製サイクルの段階に応じて、PRRによる病原体認識の複数のメカニズムが機能しています。まず、HSVビリオンまたはビリオン表面糖タンパク質が細胞表面のTLR2と相互作用します。HSVによるTLR2の活性化は、サイトカイン産生をもたらし、入ってくるウイルス粒子によって誘発される他の初期応答は、ウイルスDNAによって誘導され、TLR9によって媒介される強力なI型IFN(IFN-α、 IFN-β)を産生しますが、この産生はpDC(plasmacytoid dendritic cells、訳して形質細胞様樹状細胞、略してpDC)だけに限定されます。pDC以外の細胞型もIFN-α、IFN-βと結合するとⅠ型IFNを産生します。HSVは複数の細胞認識システムによって検出されます。これらのシステムは、細胞の種類や時間に依存して動作し、抗ウイルス反応を引き起こし、IFN-αやIFN-βなどのⅠ型IFNを産生します。

病原体関連分子パターン(PAMP)は、微生物の生存に絶対不可欠なタンパクとして保存されている小分子モチーフです。それらは、植物と動物の両方で、トール様受容体(TLR)と他の様々なパターン認識受容体(PRR)によって認識されます。グリカン(多糖体)や複合糖質など、さまざまな種類の分子がPAMPとして機能します。PAMPの代表であるグラム陰性細菌が持っているリポ多糖(Lipo-poly-saccharide、略してLPS)は、自然免疫系の認識受容体であるTLR4によって特異的に認識されます。他のPAMPは、細菌の持つフラジェリンはTLR5によって認識され、グラム陽性細菌の細胞壁に見られるリポテイコ酸(Lipo-teichoic acid、略してLTA)はTLR2によって認識され、細菌の細胞壁にあるペプチドと糖からなる高分子化合物ペプチドグリカン(Peptidoglycan)はTLR2によって認識されます。さらにTLR3によって認識される二本鎖RNA(dsRNA)やTLR9によって認識される非メチル化CpGモチーフなどがPAMPとしてPRRに認識されるのです。

PRRによるPAMPの認識の結果、インターフェロン(IFN)が産生され、宿主免疫細胞におけるいくつかのシグナル伝達カスケードの活性化を引き起こします。結核などを引き起こすマイコバクテリアは、宿主マクロファージで生き残る細胞内細菌として有名です。マイコバクテリアの壁は脂質と多糖類で構成されており、ミコール酸も大量に含まれています。なぜ結核菌は大食細胞が殺せないのか? ミコール酸(mycolic acids)は、結核菌が菌体の最外周部に持っている分子量の大きな脂肪酸の総称で、ミコール酸はいつかの脂肪酸の集まりで純物質ではないのです。多種類の脂肪酸の集まりであるミコール酸の炭素数はだいたい60個から90個程度であり、シクロプロパンを構造に含んでいます。結核菌は増殖する時にミコール酸を合成し、結核菌の菌体の最外周部をミコール酸で囲み、結核菌のペプチドグリカンが主要成分の細胞壁よりもさらに外側にあります。アラビノガラクタンが主成分の部分よりもさらに外側にミコール酸はあって、自身を保護しています。ペプチドグリカン(Peptidoglycan)は、細菌の細胞壁によくあるペプチドと糖からなる高分子化合物の一種であり、狭義にはムレイン酸(murein)としても知られ、真正細菌の細胞膜の外側に層を形成する細胞壁の主要物質です。アラビノ-ガラクタン-プロテイン(AGP)は植物組織に普遍的に分布しているプロテオグリカン(タンパク多糖体)で,主に細胞壁(細胞外マトリックス)に局在しています。AGPは一般的にはヒドロキシプロリン(Hyp)に富むコアタンパク質に,ガラクトース(Gal)とL-アラビノース(L-Ara)に富むアラビノガラクタン(AG)糖鎖が結合しているのがアラビノ-ガラクタン-プロテイン(AGP)です。この構造がマクロファージに貪食され取り込まれても内部で生き続けられる原因の1つとなっているのです。なお1分子のミコール酸で1つの結核菌を囲んでいるわけではなく、ミコール酸同士はトレハロースを間に挟んで連なっている上に、ミコール酸は内側にあるアラビノ-ガラクタンとも結合しているのです。マイコバクテリアの精製されたこのような細胞壁成分は、主にTLR2とTLR4を活性化します。リポマンナンとリポアラビノマンナンは、強力な免疫活性化リポグリカンです。TLR1と結合したTLR2は、結核菌由来の細胞壁リポタンパク質抗原を認識できます。これは、マクロファージによるサイトカインの産生も誘導します。さらにTLR9はマイコバクテリアDNAによっても活性化されます。このように非自己成分であるタンパクや他の有機成分などは自然免疫のAPCのToll like receptor(TLR)によって認識されて危険が差し迫っているというシグナルを獲得免疫(適応免疫)に伝えるのです。自己免疫性疾患はこのようなシステムを完全に無視した架空の病気であることを死ぬまで証明し続けるために医療を続けたいのです。自己免疫性疾患は医薬業界が作り上げたバーチャルフェイクです。どうせ強大な医薬業界に潰される覚悟はしていますがいつになるでしょうかね?アハハ!

それではDAMPについて説明しましょう。 

ダメージ関連分子パターン(damage-associated molecular patterns、略してDAMP)は、外傷または病原体による感染によって損傷または死にかけている細胞から放出される自然免疫応答の構成要素である細胞内の分子です。これらの分子は、人体が病原体によって細胞に損傷が起こったり、あるいは感染が起こっていることを免疫に知らせる警告サインとして機能するため、危険関連分子パターン、危険信号、およびアラーミン(alermin)としてもDAMPは知られています。DAMPは、外傷や病原体による細胞への損傷に応答して細胞外に放出される細胞の内側に生じている危険を細胞外の免疫に知らせる危険信号です。DAMPが細胞から放出されると、DAMPがパターン認識受容体(PRR)に結合することにより、非感染性の敵との戦いが終わった処理をするための炎症反応を促進します。炎症は、患部から有害な侵入者を取り除くのみならず、治癒プロセスを開始することにより、生物への将来の損傷を軽減するために使用されるため、自然免疫応答の重要な側面です。にもかかわらず、現代の医療を炎症を目の敵にしているのは非常に残念です。

例えば、サイトカインIL-1αは細胞の核内で発生するDAMPであり、細胞外に放出されると、PRRのIL-1Rに結合し、PRR IL-1Rが炎症反応を開始します。外傷の後始末のために放出されたIL-1αというDAMPは非感染性炎症反応であり、一方、病原体関連分子パターン(PAMP)は、感染性病原体誘発性炎症反応を開始させ敵を殺すまで永続化します。多くのDAMPは、組織の傷害が起こった後、細胞の外に放出される明確な機能を持っていた核タンパクや細胞質にあるタンパクなのです。細胞内から細胞外の排泄は、DAMPを細胞内の還元環境から細胞外の酸化環境に移動させ、それらの機能的な変性を引き起こされ、DAMPの成分の機能も失われます。核および細胞質ゾルのDAMP以外にも、ミトコンドリア、細胞内顆粒、細胞外マトリックス、小胞体、原形質膜など、さまざまな部位に由来する他のDAMPがあります。DAMPの主要な受容体は、やはりPAMPと同じでTLRです。

DAMPの出所部位と主なDAMPとそのDAMPの受容体の一覧表 

出所部位
主要なDAMP 受容体
細胞外マトリックス
ビグリカン TLR2、TLR4、NLRP3


デコリン TLR2、TLR4


バーシカン TLR2、TLR6、CD14


LMWヒアルロン酸 TLR2、TLR4、NLRP3


ヘパラン硫酸 TLR4


フィブロネクチン(EDAドメイン) TLR4


フィブリノーゲン TLR4


テネイシンC TLR4
細胞内コンパートメント サイトゾル 尿酸 NLPR3、P2X7


S100タンパク質 TLR2、TLR4、RAGE


HSP(熱ショックタンパク質) TLR2、TLR4、CD91


ATP P2X7、P2Y2


F-アクチン DNGR-1


シクロフィリンA CD147


TLR2、NLRP1、NLRP3、CD36、RAGE

ヒストン TLR2、TLR4


HMGB1 TLR2、TLR4、RAGE


HMGN1 TLR4


IL-1α IL-1R


IL-33 ST2


SAP130 ミンクル(Mincle)


DNA TLR9、AIM2


RNA TLR3、TLR7、TLR8、RIG-I、MDAS

ミトコンドリア mtDNA TLR9


TFAM レイジ


ホルミルペプチド FPR1


mROS NLRP3

小胞体 カルレティキュリン CD91

顆粒 ディフェンシン TLR4


カテリシジン(LL37) P2X7、FPR2


EDN(好酸球由来ニューロトキシン) TLR2


グラニュライシン TLR4

原形質膜 シンデカン TLR4


グリピカン TLR4

皆さん、私がなぜこんなにDAMPにこだわっているのかお分かりですか?既に私はアルツハイマーの原因はアミロイドβと世界中の医薬業界は思い込み続けており、アミロイドβを減らす薬を何十年も何十兆円もかけて失敗に終わっていますが、なぜかというのはすでに書きました。ここを読んで下さい。アミロイドβはあくまでも海馬の細胞に感染したヘルペスと免疫が戦った後の傷害の産物に過ぎないのです。つまり、DAMP(Damage-associated molecular patterns)と名づけられるダメージ(損傷)関連分子パターンの1つがアミロイドβなのです。すでに述べたように、ヘルペスによる細胞死や細胞の損傷など,ヘルペスによって細胞が崩壊した後、放出されたものであり,細胞の危機を免疫に知らせるアラームとして機能しているだけであり、決して自己の免疫が自分の細胞を攻撃した結果ではないのです。これまでに報告されているDAMPsの一覧表をタンパク質から核酸まで多岐にわたる様々な分子を掲載したのです。

今朝の3月10日の朝日新聞に大スクープよろしく「潰瘍性大腸炎」 患者9割に特定の「抗体」 京大発見 の特ダネが出ていましたが、潰瘍性大腸炎はすでに述べたように決して自己免疫性疾患ではなくて、化学物質をIgGで戦うか、ヘルペスと戦うかによって生じる腸疾患に過ぎないのです。ここを読んで下さい。その新聞の内容を掲載しておきましょう。

京都大の研究グループが、原因不明の下痢や血便を繰り返す難病「潰瘍(かいよう)性大腸炎」の患者の9割に、特定の「抗体」があることを見つけたと発表した。抗体を測る検査キットを企業と開発し、新たな診断法にしたいとしている。 潰瘍性大腸炎には自己免疫がかかわると考えられている。自己免疫とは、免疫反応でできる抗体が、誤って自分の体内にもともとある物質を攻撃する現象だ。抗体は本来、病原体を攻撃する。 そこでグループは患者112人の血液で、自分の体内にある物質に反応する「自己抗体」を調べた。その結果、患者の9割に「インテグリンαVβ6」というたんぱく質に対する抗体があった。他の病気の患者には、この抗体は少ないこともわかった。 この抗体は、症状が悪化すると増え、改善すると減る傾向があり、病気の診断や病状の判断に役立つ可能性がある。グループの桑田威医員は「病気の原因解明や治療法開発につながる可能性もある」と話している。

それではインテグリンαvβ6とは何でしょうか?

 ケラチン細胞のリガンドであるフィブロネクチンおよびビトロネクチン上の移動に必須であるタンパク質です。αvβ6. インテグリン(β6)は、正常組織ではほとんど発現がみられないが、上皮修復や腫瘍形成の過程で発現が増加し、主に間質を構成するフィブロネクチンと結合することが知られている。インテグリンαVβ6というタンパク質に対する自己抗体が潰瘍性大腸炎患者の約90%に認められることを発見したと京都大学は発表しましたが、これは自己抗体ではなくて大腸の細胞が崩壊した後の細胞傷害関連分子であるDAMPであるインテグリンαVβ6をB細胞が処理するときにインテグリンαVβ6をオプソニン化する時に作ったIgM抗体にすぎないのです。この抗体はMALTによって作られた二量体のIgA抗体であります。この二量体のIgA抗体は排除の抗体であり、殺しのIgMやIgG抗体ではないのでこの抗体に対する抗体を作っても意味がないのです。

ダメージ関連分子パターン(DAMP)は、自然免疫系を刺激して敵を認識させて適応免疫に危険を伝えるのです。DAMPは、細胞の種類や上皮組織または間葉組織などの損傷した組織によってヘルペスとの戦いでダメージを受けた分子の違いによって様々のパターンがありますが、すべて生物内の自然免疫応答を刺激するという共通の特徴を共有しています。タンパク質DAMPには、熱ショックタンパク質やHMGB1 などの細胞内タンパク質、およびヒアルロン酸フラグメントなどの組織損傷後に生成される細胞外マトリックスに由来する材料が含まれます。 HMGB1とは、高移動グループボックスタンパク質1、英語でHigh mobility group box protein 1、略してHMGB1ですが、インフラマソームの活性化時にグリア細胞とニューロンによって放出されるどこにでも存在する核タンパク質であり、標的細胞上の終末糖化産物受容体(receptor for advanced glycation end products、略してRAGE)およびトール様受容体(TLR)4の受容体を活性化します。RAGEとは、私たちの細胞は細胞表面にある受容体でこのAGE修飾を認識します。AGEとは、終末糖化産物(advanced glycation end productsで、略してAGE)です。

それではDAMPを非タンパク質とタンパク質に分けながら個々に詳しく説明し続けましょう。

 非タンパク質DAMPには、1)ATP、2)尿酸、3)ヘパラン硫酸および4)DNA、5)RNA、6)単糖類、7)多糖類、8)プリン代謝物、9)アデノシンが含まれます。一方、タンパク質DAMPには、1)HMGB1、2)DNAとRNA、3)S100タンパク質、4)単糖類と多糖類が含まれます。

まず非タンパク質から説明しましょう。 

DNAとRNAが腸管の微生物であるウイルスや細菌と免疫細胞が戦った時に、殺された微生物から漏れ出たDNAやRNAが核以外またはミトコンドリア以外の場所に見つけられ、DAMPとして大食細胞のTLR9や細胞質に存在するDAI(英語でDNA-dependent activator of interferon-regulatory factors、訳してDNA依存性IRF活性化因子、略してDAI)によって認識されると、残党のヘルペスや細菌などを処理するために、さらに他の免疫の細胞の活性化と免疫反応を促進させ、敵を皆殺しにします。

ヒアルロン酸は線維芽細胞や滑膜細胞などで産生されています。この線維芽細胞や滑膜細胞に感染したヘルペスがIFN-αやIFN-βやNK細胞やキラーT細胞などで細胞もろとも殺された時に、DAMPとして細胞外マトリックスにヒアルロン酸分解産物として大量に放出されると、マクロファージや樹状細胞のトール様受容体2(TLR2)、TLR4、またはTLR2とTLR4の両方を介して炎症シグナルを伝達して、さらにヘルペスを殺そうとするのです。したがってDAMPというのは、細胞がダメージを受けて崩壊した証拠であると同時に、そのDAMPを作り出す敵をさらに処理するためにますます免疫反応が盛んになるのです。特に最後に残された細胞に感染する病原体はヘルペスですから、そのヘルペスをできる限り隣接する細胞にさらに感染し続けることを抑えるために存在しているのがDAMPなのです。すでに書きましたが、アルツハイマーの患者に見られるアミロイドβはまさに脳の海馬の細胞に感染したヘルペスを処理するために細胞をヘルペスもろとも殺しきった結果、崩壊した細胞から漏れ出た代表的なDAMPの産物であるにも関わらず、世界中の優れた医者たちはアミロイドβはアルツハイマーの原因と言い続けているのです。抗ヘルペス剤を大量にアルツハイマーの患者に投与し続けばアルツハイマーの症状が初期に制御できるのに残念ですね。ヒアルロン酸(Hyaluronic acid)は、細胞外マトリックスの主成分であるのですがDAMPとしてのヒアルロン酸やヒアルロン酸分解産物はマクロファージや樹状細胞のトール様受容体2(TLR2)、TLR4、またはTLR2とTLR4の両方を介して炎症シグナルを伝達して、ヒアルロン酸が最も多い皮膚のマトリックスの創傷修復のための組織再生、炎症反応、血管新生に重要な役割を果たしているのです。TLRとDAMPとしてのヒアルロン酸やヒアルロン酸分解産物は自然免疫において様々な組織の細胞にヘルペスが感染しているという警告を発する重要な役割を果たしているのです。DAMPが見つかれば抗ヘルペス剤を投与すれば全て原因治療となり、この世から不明な病気や自己免疫性疾患は消えてしまうのですが、世界中の医者は誰も気づいていないのです。

2021/3/17

リンパ球にはT細胞とB細胞とナチュラルキラーT細胞(NK細胞)の3つがあります。まずT細胞(T cell)には3つあります。1つ目がヘルパーT細胞(Th cell)、2つ目がキラーT細胞(CTL)、3つ目は制御性T細胞(regulatory T cell、略してTreg cell)です。これまではもっぱらヘルパーT細胞について詳しく述べてきたのは、B細胞をヘルプして抗体を作らせるT細胞に焦点を合わせてきました。これからはウイルスが必ず細胞に入って初めて増殖できます。ウイルスが細胞に感染してしまうと、高等免疫であるリンパ球は手も足も出ません。この時にキラーT細胞(CTL)とNK細胞の登場となり、細胞もろともウイルスを殺すことになります。NK細胞については後回しにして、まずキラーT細胞(CTL)について詳しく解説しましょう。Th cellについてはCTLよりもはるかに研究されていますが、CTLはそれほどでもありませんが、CTLの活性化、増殖、その働きぶりについて書き始めましょう。なぜならばSARS-CoV-2に対する真実のワクチンというのは細胞に感染するこのウイルスを殺すためにはキラーT細胞(CTL)が記憶キラーT細胞(CTL)にならせる必要があるからです。したがってCTLというT細胞がどのようにして生まれ、どのようにして活性化され増殖しどのような仕事をやるかについて詳しく説明しましょう。その前にThはTCR(T cell receptor)以外に、もう1つCD4というco-receptor(補助受容体)を持っており、CTLはTCR(T cell receptor)以外に、もう1つのCD8というco-receptor(補助受容体)を持っていることで、区別されることを確認しておきましょう。

キラーT細胞の概略 

キラーT細胞(killer T cell)は、細胞傷害性T細胞とも言われ、英語で cytotoxic T lymphocyte で、略してCTLです。3種類のリンパ球にTh細胞、CTL、制御性リンパ球(Treg)があります。宿主にとってウイルス感染細胞、癌細胞、移植細胞などの異物細胞を認識して破壊します。骨髄で作られたばかりの未分化なT細胞は、ヘルパーT細胞に必要なCD4分子と、キラーT細胞に必要なCD8分子の両方を発現しているのでダブルポジティブ(DP)なT細胞と言われます。しかし、T細胞が成熟するにつれて、分化をしていくと、CD4とCD8のどちらか一方だけを発現するシングルポジティブ(SP)になり、最終的にCD4だけのヘルパーT細胞か、CD8だけのキラーT細胞へと分化します。CTLは表面にCD8分子を発現しているT細胞から分化してくる。このような理由から、細胞障害性T細胞のことを「CD8陽性T細胞」や「CD8+T細胞」と呼ぶ場合もある。ヘルパーT細胞(helper T cell、Th)のうちTh1細胞は主にIL-2とIFN-γを産生し、CTLの働きを補助します。補助されて活性化されて抗原刺激を受けたCTLは細胞傷害活性を持つようになります。抗原に出会ったことが一度もないキラーT細胞をナイーブキラーT細胞といいます。それではどのようにしてナイーブキラーT細胞が細胞傷害活性を持つCTLになるのでしょうか?  3つの細胞が必要です。まず1つ目が細胞に感染した敵を認識できるレセプターを持ったCTLであります。2つ目が活性化されたDCであります。このDCはCTLにその敵のタンパクの断片をMHCⅠ分子に結びつけて提示することができるDCです。3つ目はCTLを手助けしてくれる活性化されたヘルパーT細胞(Th)の3つが必要です。つまりDCとTh細胞とCTLの細胞が1つの敵を認識する必要があります。それではこの3つの細胞がどこで出会って協力し合うのでしょうか?  実際は3つの細胞が同一のリンパ節で出会うことが感染の初期は極めて難しいので、3つのうちT細胞の手助けがなくともCTLとDCの両社だけでもキラーT細胞を最初に活性化することができます。言い換えるとナイーブCTLと活性化されたDendritic cell(DC)の2つの細胞の相互作用で十分であります。このときCTLのレセプターはDCのMHCⅠ分子によって提示されたCognate Antigen(同一の認識抗原)を認識します。しかもCTLは同じDCから補助刺激であるB7をCD28で受け取る必要があります。したがってTh細胞の手助けは初期のキラーT細胞の活性化では必要とされないのです。これはナイーブキラーT細胞はナイーブTh細胞が活性化されたDendritic cell(DC)によって活性化されることと似ています。 

ところがこのようにTh細胞の手助けなしに活性化されたCTLは確かになんとか増殖し始め、数を増やすことができ、かつウイルスに感染された細胞を殺すことができるけどもこういうTh細胞の手助けのないCTLは高い効率でウイルス感染細胞を殺すことができないのです。このようなTh細胞の手助けのないCTLはあまり長生きできません。これは調度Th細胞の手助けなしにIgM抗体を作れますが、クラススイッチや体細胞超変異ができないことに似ています。したがってTh細胞の手助けのないCTLの活性化は感染の初期において、敵であるウイルスが感染した細胞を素早く処理することができるためのキラーT細胞の爆発的な活性化による増殖を期待できません。

これに反して、ヘルパーT細胞の手助けを借りて十分に活性化されたCTLはどんどん増殖して効果的にウイルス感染細胞を殺すことできるのみならず、記憶キラーT細胞になることができるのです。したがって最初に説明したように完全な記憶CTL細胞を生み出すためにはTh細胞とDC細胞とCTLの3者が相互作用をする必要があるのです。その3者が相互作用できる場所はリンパ節のどの部位でしょうか? 上の絵図で B cell Area(Cortex)とT cell Area(Paracortex)との境界付近であります。調度この境界付近でB細胞とFDCとTfhの3者が出会って相互作用を起こして、B細胞がクラススイッチや体細胞超変異を行うことができるのと同じことです。

なぜB細胞とDCやThの3者が、かつB細胞とFDCやTfhが出会う場所がB cell Area(Cortex)とT cell Area(Paracortex)との境界付近となるのでしょうか?  上のリンパ節の絵図をじっくり見て下さい。とりわけArteriole(小動脈)の毛細血管はLymphoid Follicleを囲んだ形でB cell Area(Cortex)に存在していますね。しかもこの小動脈の毛細血管のT cell Area(Paracortex)の境界から始まりますね。この毛細血管から血液に運ばれてきたDCが流れ出すのです。リンパ球も動脈の毛細血管から出ることは出来ますが、リンパ節においてはリンパ球(Tリンパ球、Bリンパ球)のみが小静脈側の後毛細管静脈の特別に分化した高内皮細静脈(high endothleial venules、略してHEV)といわれる特別な毛細血管からT cell Area(Paracortex)へと出ていくのです。

HEV(high endothleial venules)はどうして特別な高内皮細静脈なのでしょうか?HEVとは何でしょうか? 

リンパ球はリンパ節の小動脈を通って毛細血管の細動脈から栄養をリンパ節に補給した後、毛細血管の細静脈に入り、老廃物を吸収した後、毛細血管の細静脈の最後の部分に存在する特別に分化した高内皮細静脈(high endothleial venules, HEV)からリンパ節にリンパ球だけが入ります。高内皮細静脈は主として傍皮質にあります。高内皮細静脈(HEV)は粘膜リンパ組織(MALT)と胸腺にもあります。もちろんT細胞はこの細静脈のHEVから入り込む以外に抗原の侵入路である輸入リンパ管からリンパ節にも入ります。上の輸入リンパの流れとリンパ球の動きの絵図を見て下さい。リンパ球は輸出リンパ管から出て他のリンパ節を通過し最終的には胸管を経て左鎖骨下静脈で血液に入り心臓まで流れます。5千億個もあるリンパ球の1-2%が毎時間、血管とリンパ管とリンパ節を循環するのを繰り返しています。その内、3千億個がTリンパ球です。この膨大の数のリンパ球の中で特定の抗原を認識できるリンパ球の数は限られています。100万個のリンパ球だけが1個の特定の抗原(Cognate Antigen)を認識できます。この再循環は無数にある抗原特異的リンパ球が末梢リンパ組織で特定の抗原(Cognate Antigen)に出会うための最高のシステムです。とりわけ再循環を繰り返し動き回るのはBリンパ球以外のTリンパ球であり、特にヘルパーTリンパ球が免疫を助けるために一番再循環を繰り返しています。いちど特定の抗原に感作された(認識された)Tリンパ球がリンパ節に再度抗原が入るとTリンパ球の移動が止まり約24時間停止して、抗原特異的リンパ球や免疫細胞が初めはリンパ節のそれぞれ定められた部位に集まっているのですが、上で述べたようなメカニズムによってSARS-CoV-2のような病原体をT cell Area(Paracortex)やB cell Area(Cortex)に集中的に残留して、1)T cell Area(Paracortex)に集まるAPCであるDCや2)Marginal Sinusに集まっているウイルスを貪食するマクロファージや3)リンパ濾胞に住み着いているFDCや4)リンパ濾胞に集まってくるTfhや5)始めはB cell Area(Cortex)に集まっており、FDCから抗原を奪い取りTfhの手助けを借りてリンパ濾胞で膨大な数に分裂、増殖し続けるBリンパ球や6)B細胞の助けを借りてTfhになる前のT cell Area(Paracortex)に一番多く見られるTリンパ球や7)T cell Area(Paracortex)に存在するキラーT細胞がリンパ節の決められた各々の部位に収束し、この7つの免疫細胞が協力して同一の敵であるSARS-CoV-2ウイルスをBリンパ球が作る抗体の中和作用やオプソニン作用で殺すと同時に細胞に感染したコロナウイルスを殺すことができるようになるのです。

一次リンパ器官である胸腺も二次リンパ器官であるMALTもすべてHEVも、かつリンパ濾胞の両者を持っています。リンパ濾胞とHEVを持っているからリンパ器官であると言えるのです。MALT(mucosa-associated lymphoid tissue、訳して粘膜関連リンパ組織)やNALT(Naso-pharyngeal-associated Lympho-reticular Tissue、訳して鼻咽頭関連リンパ網内系組織)については後で詳しく論じます。

2021.2.7

-コラム, ワクチン, 新型コロナウイルス

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