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mRNAワクチンはなぜ作れないのか?Part 2更新2021.2.7

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抗体のクラススイッチと体細胞超突然変異が起こらないからです。IgMがどのようにしてIgGにクラススイッチするのか?体細胞超突然変異はどのようにして起こるのか?

mRNAワクチンは絶対にできない。絶対に失敗する。 」も一緒にご一読ください。

SARS-CoV-2に対する獲得免疫の防御は3つの段階が必要です。1つ目は、コロナウイルスを認識できること。2つ目はコロナウイルスに合う武器を産生すること。3つ目は、これらの武器をコロナウイルスの感染部位(肺)に運ぶことであります。獲得免疫の認識段階は二次リンパ器官で行います。二次リンパ器官には、リンパ節と脾臓と粘膜関連リンパ節(mucosa-associated lymphoid tissue、略してMALT)の3つがあります。一次リンパ器官は骨髄と胸腺です。

左 に二次リンパ器官の1つであるリンパ節の絵を掲載しておきます。この3つの二次リンパ器官の特徴は、リンパ濾胞(Lymphoid Follicle)を持っていることです。このリンパ濾胞(Lymphoid Follicle)には、一次リンパ濾胞と二次リンパ濾胞の2つがあります。まずリンパ節が活性化されない時には、一次リンパ濾胞として数多くのリンパ濾胞が左図のように存在しています。全てのリンパ濾胞には、濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)が非常に多いのですが、もっと多いのはBリンパ球なのです。従ってリンパ濾胞というのはB細胞という海の中に、濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)の集まりが島のようにあちこちにあるとイメージしてください。濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)は、抗原を提示する樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)と同じくヒトデに似た格好をしていますが、2つの点で濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)と樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)は異なっています。1つ目の違いは出生場所が異なり樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)は、白血球の1種類で骨髄で産まれます。その後、骨髄から組織に出てコロナウイルスなどを見つける斥候の役目を果たします。一方、濾胞樹状細胞(FDC)は、受精後、妊娠中期までには二次リンパ器官であるリンパ節などに既に住み始めます。DCとFDCの2つ目の違いは、機能が異なっています。樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)の役割は、組織でT細胞に抗原提示をする抗原提示細胞ですが、一方、濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)の役割は、リンパ濾胞でB細胞に抗原を提示する抗原提示細胞です。

FDCがなぜB細胞に抗原を提示するのか不思議に思いませんか?皆さんは抗原提示細胞であるDCはヘルパーTリンパ球に抗原提示し、活性化されたヘルパーT細胞はB細胞をヘルプするだけと思い込んでおられませんか?ところが、実はB細胞はヘルパーT細胞の手助けなしで、この世のあらゆる有機物質であるタンパク、炭水化物、脂質のみならず、あらゆる化学物質をBリンパ球の受容体で認識できるのです。FDCが抗原をリンパ節のリンパ濾胞でBリンパ球に直接提示するのは何も不思議なことではないのです。FDCは提示した抗原をB細胞に捕まえさせ取り込ませる特別な仕事をしているのです。しかもFDCはDCと違ってMHCⅡを持っていないので、ペプチド抗原をMHCⅡと結びつけてヘルパーT細胞に提示することができないので並みのDCではなく、まさに濾胞でしか仕事ができない特殊なDCですから濾胞樹枝状細胞(Follicular dendritic cell、略してFDC)という名前が付けられたのです。

ところがあちこちですでに述べたようにヘルパーT細胞の手助けを借りないB細胞はIgMしか抗体を作れないのです。もちろん、IgG抗体のみならず、体細胞超変異も起こることもないのです。この体細胞というのはBリンパ球のことですよ。しかももっと正しくいえばB細胞の遺伝子の塩基の並びが突然変異を起こすということです。さらにメモリーB細胞も作られることができないのです。ところがリンパ節のリンパ濾胞に住んでいる濾胞ヘルパーTリンパ球(Tfh)という特別なリンパ球が存在し、そのTfhの手助けを借りて上で述べたヘルパーT細胞に依存したB細胞でもできなかった仕事、つまり抗体のクラススイッチと体細胞超変異を起こさせることができるのです。どのようにしてリンパ節で複雑極まりない免疫細胞の仕事がBリンパ球に最初に述べた3つの仕事をやり遂げるかを順に説明しましょう。もう一度述べますと、この3つの仕事は、1つ目は、コロナウイルスを完璧に認識でき、2つ目はコロナウイルスに対する完璧な武器を産生すること。3つ目は、これらの武器をコロナウイルスの感染部位(肺)に運ぶという3つの仕事でしたね。この3つの仕事は必ずしも順番に起こる訳ではないことも理解して下さい。免疫学は医学の中で最も難しい分野であることは既に述べました。免疫学のハイライトは高等免疫であり、この高等免疫が完成される場所はリンパ節なのです。高等免疫がリンパ節で完成されるメカニズムを今、説明しようとしているのです。

さてFDCの話に戻りましょう。FDCの仕事は何でしょうか?感染の初期に自然免疫の補体タンパクが新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2と結びつくと、自然免疫の補体でオプソニン化された新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2は二次リンパ器官にリンパ液や血液によって運ばれます。二次リンパ器官に住み着いているFDCはもちろん樹枝状細胞(dendritic cell、略してDC)の仲間の1つですから、補体と結びつくレセプターを持っているのでFDCは補体によるオプソニン化された抗原を取り上げて、保持し続けることが出来ます。実は保持するだけではなくて、それを取り込んでタンパクをペプチドにできますがFDCは先ほど書いたようにMHCⅡはないので、そのペプチドをMHCⅡに乗せてBリンパ球に提示することはできないのです。したがってFDCはDCの1つですがあくまでも、Bリンパ球にオプソニン化された新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2ウイルスを提示して、B細胞がその細胞を取り込みTfhという濾胞ヘルパーT細胞と協力して最後はB細胞にクラススイッチと体細胞超変異を起こさせるのです。非常に大事なTfhについては後で詳しく説明します。

つまり、B細胞が作る抗体の種類を決めるFcの遺伝子の組み変えを行わせ、IgMからIgGの遺伝子に変換して新しいIgGという抗体を作り替えることを抗体のクラススイッチと言い、さらにB細胞が作る抗体のFabの遺伝子を組み変えさせて、コロナウイルスとさらに強く結びつくFabの遺伝子を新たに作り替えることを組み変えさせて、体細胞超突然変異(Somatic super-mutationとかSomatic hyper-mutation)を起こすことです。体細胞突然変異(Somatic hyper-mutation、略してSHM)とは胚中心(germinal center)において、B細胞が高頻度にSHMを繰り返すことによって、抗体のコロナウイルス抗原とのアフィニティ(親和性の強さ)、アビディティー(結合力の強さ)が増強されていくプロセスを、アフィニティマチュレーションと呼びます。

アビディティーとアフィニティーの違いは何でしょうか?抗原抗体反応では、抗原上のエピトープ(抗体が認識する抗原の一部分)と抗体上のパラトープ(抗原結合部位であり抗原のエピトープを認識して結合する抗体の一部)が結合しています。アビディティー(Avidity)とは抗原と抗体の結合力の総和です。一方、アフィニティー(Affinity)とは一価のエピトープと一価のパラトープとの結合力です。SHMによる変異で生じた多様なB細胞群のうち、コロナウイルス抗原に曝露されることによりコロナウイルス抗原に対する高親和性抗体(Hyper-Affinity)を発現するB細胞がさらに増え維持され、他の低親和性抗体発現B細胞は排除されてしまうのです。

親和性とは何でしょうか?親和性とは、1)エピトープに対する抗体の結びつきの強さ、2)抗原と抗体が結合しているエピトープの数、3)相互作用する部位の立体配置の適合性という主に3つの要因によって決められ、これらが、特異的な抗体がピッタリ合う抗原の持つエピトープに結合する可能性を高めているのです。

抗原がB細胞に取り込まれるまでは、FDCは人体に感染したコロナウイルスが増殖している肺組織で、補体と結合した新型コロナウイルスの持つ様々な種類の抗原でFDCの細胞膜はコロナウイルスの抗原だらけとなっています。一方、B細胞のBCRはウイルス抗原の上にある極めて小さいエピトープと結びついています。さらに大量のコロナウイルス抗原を捕まえて、それらを密に集めることによってFDCは、そのコロナウイルス抗原をB細胞に見せるときに、その抗原を認識するB細胞の受容体(BCR)が橋げたとなり、連続して抗原(エピトープ)に結びついて橋状に繋がっているように見えるので、架橋する(橋を架ける)という表現を私は用います。

いずれにしろ、このような架橋が見られるのは、3つの場合しかありません。1つは肥満細胞や好酸球や好塩基球が保有するIgEレセプターにIgE抗体が結びつく時に、そのIgE抗体のFabにアレルゲンのエピトープに結びつく場合と、2つ目はB細胞のレセプターである膜型IgM抗体のFab部分にオプソニン化された抗原のエピトープが結びつく場合と、3つ目は、B細胞の補体のレセプターの先端にオプソニン化された抗原のエピトープが結びつく場合です。

元来、架橋という医学用語は、英語でcross linkといい、マスト細胞や好酸球や好塩基球上のIgEにアレルゲンが吸着し、2つのIgEにアレルゲンの橋がかけられた様に結びつけられると、この架橋による刺激によって脱顆粒が起こり、ヒスタミンが放出される意味で用いられました。

上の2つの図を見て下さい。上の絵図は、B細胞がヘルパーT細胞の助けを借りずに、初めて出会ったコロナウイルス抗原(Antigen)のcognate antigenのエピトープに対して膜型IgM抗体と結びついている絵図です。BCR(B cell receptor)は、訳してB細胞受容体ですが、膜型IgMそのものです。下の絵図はウイルス抗原(Antigen)のエピトープが、BCR以外に補体によってオプソニン化されたウイルス抗原を、もう1つの補体レセプターで認識しIgMを効率良く作れる状態を示しています。つまり敵であるコロナウイルス抗原をBCRと補体のレセプターの2つのレセプターで認識することができるので、この2つから伝えられたシグナル情報がB細胞の核に伝える力が2倍どころか何十倍も強くなり、B細胞は素早くIgM抗体を作れるようになるのです。この補体のレセプターをCo-receptor(補助受容体)といいます。しかしながら、2つのレセプターの刺激を得ても、あくまでもヘルパーT細胞があって初めて抗体のクラススイッチとさらに体細胞超変異(SHM)があってこそ強力な中和作用や親和性をもつIgGが作られるのです。しかもこの申し分のない最高の抗体であるIgGが作られる領域はまさにリンパ節の胚中心(germinal center)なのです。

さらにリンパ節の胚中心(germinal center)でこそ記憶B細胞、記憶T細胞、記憶キラーT細胞が生まれ、コロナウイルスに対するワクチンの効果が維持されるのですが、残念ながら遺伝子情報を用いて作ろうとしているmRNAワクチンはこのような複雑極まりない機序を乗り越えてできるかについてはファイザーもアストロゼネカもバイオテックもモデルナも一言も言及していません。上の2枚の絵図とも一番上の直線にAntigen(抗原)という一本の線が引かれていますね。この線はコロナウイルスのスパイク抗原(Spike Antigen)とみなして下さい。もちろんFDC細胞の手助けはまったくないので、コロナウイルスに対するIgM抗体だけが作れる可能性を示しているだけです。世界中の全ての製薬メーカーがこのIgM抗体をIgG抗体であるかのような喧伝をやっていますが、たしかにIgM抗体が作られる可能性はないとは言えません。抗体ができるという新聞記事は、あくまでもIgM抗体であるので、消えてしまうことがあることは当然なことなのです。しかしIgG抗体が決して作れないことや永久免疫永久にできないこと、つまり本当のワクチンができないことについては一言も触れいていないのは残念ですね。

何回も書きますが、ワクチンができるウイルスは、一回感染すると二度と同じ病気にならないという証拠が必要なのです。ところが今回のコロナウイルスは、一度かかっても再び感染することが世界中で報道されていますね。皮肉を言えば、ワクチンができるウイルスに感染することが、最高のワクチンになるのですがね。アッハッハ!しかし危険がありますね。

上の2つ絵図について追加説明を加えておきましょう。一本の線でAntigenと示されている抗原が、コロナウイルスの抗原(Virus Antigen)であり、このAntigenの線に数多くの薄赤の丸印がつけられているのがコロナウイルスの抗原のエピトープであり、エピトープ(epitope)にBCR(B細胞受容体)との結合に加えて、さらにB細胞のオレンジ色の棒状の補体レセプターが抗原と結合して2つの刺激によってB細胞が活性化され、その情報が核に伝えられ、膜IgM抗体(BCR)が分泌IgMを作るようになるのです。このIgM抗体の仕事は五量体になって補体を活性化することが1つで、かつ分泌抗体になったIgM抗体が血中に流れて、上手くいけばコロナウイルスと出会ってコロナのエピトープと結びつけば、感染の初期に中和作用としての働きが発揮されて、呼吸器感染症としての新型コロナウイルス(SRAS-CoV-2)が、呼吸器粘膜の細胞に感染しないようにすることもあり得ますが、あくまでもこのIgM抗体はmRNAワクチンが望む必要に応じて記憶免疫が作る永久抗体ではないのです。しかしワクチンとしては一時的には効果があるように見えますが、フェイクワクチンですね、アッハッハ!

すでに説明したように上図のエピトープ(epitope)というのは、コロナウイルス抗原の最小単位であり、抗体は新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2などと結合する時、抗原の比較的小さな一部分のみを認識して、そのエピトープと結合するパラトープ(Paratope)なのです。従って抗原と結びつくという表現は本来は正確ではなく間違いで、実は抗原の微小な一部であるエピトープとBCR(B cell receptor)の一部であるパラトープと結びつくのです。エピトープという言葉が難しいので簡単で大雑把な抗原という言葉でエピトープの代わりに用いるようになったのです。医学で一番難しいのは命を守る奥深すぎる免疫学なのです。私は、自分の病気を治してくれた免疫を完全に理解すべく、楽しみながらこのように免疫学を勉強し、その成果を皆さんにAPCと同じように提示しているのです。アハハ!

ちなみにB細胞が補体のレセプターを持っているのは、B細胞自身がAPC(抗原提示細胞)であるので、樹状細胞と同じく補体のレセプターを持っているのは当然のことなのです。この補体のレセプターは、先に示したように、Co-receptor(コ-レセプターと読み、補助受容体)と言います。Co-receptorを共受容体と訳している医学書もありますが間違いです。何故ならば、補体のレセプターはあくまでもBリンパ球のBCRの働きを補助するからです。

ついでに言えば、Co-stimulationという英語がありますが、これも共刺激と訳すのも間違いであり、正しくは補助刺激と訳すべきなのです。何故ならばヘルパーT細胞のCD40LがB細胞のCD40と結合してB細胞を活性化する働きを補助的に手助けしているのでCo-stimulationは補助刺激と訳すべきなのです。すでに述べたように、架橋のもう1つの例としては、アレルギーの時に肥満細胞や好酸球や好塩基球が持っているIgEに対する膜の中にある受容体のFcが近接するのみならず、IgEがアレルゲンと結びつく細胞膜の外に出ているIgEのFabが、連続的にアレルゲンと結びつくと、肥満細胞や好塩基球が刺激されて活性化し、肥満細胞の核に情報が伝えられ、かゆみの原因となるヒスタミンが大量に肥満細胞から放出されるのと似ています。このように細胞の膜に埋められているレセプターというのは実は膜の中で自由に移動できるのです。たとえばB細胞であるレセプターの膜抗体の細胞膜に埋めこまれているFc部分が近寄ることを受容体のクラスターといい、一方、IgM膜抗体の細胞外に出て抗原と結びつくFab部分が多くの抗原と連続的に結びつくとFabが橋のように近寄って橋のようになることを架橋といいます。このように細胞膜にあるレセプターのFcが移動し近づいてクラスター(集団)になると同時に細胞の外に出ているレセプターのFabが架橋することによって、多数のレセプターで集団的に大量に得られたシグナルを核に伝えるのですが単独のレセプターの場合と比べて100倍以上も核にシグナルを伝える力が強くなるのです。

上 に 抗原の構造と役割の絵図を掲載しておきます。抗体が作られた後に、その抗体によってオプソニン化された新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2は、補体によってオプソニン化されたウイルスがFDCの表面に保持されるようにオプソニン作用を持っている抗体によっても当然保持されます。というのは、FDCは抗体の定常領域(Fc)に結びつくことができる受容体があるからです。オプソニン作用というのは補体と抗体が担う作用の1つであることは皆さんご存知ですね。

鼻粘膜や口腔粘膜や上気道の粘膜や下気道の粘膜から侵入したコロナウイルスは、このような粘膜組織に大量に見られる補体や感染初期にのみ作られるIgM抗体に捕まえられます。これを補体や抗体によるオプソニン作用といいます。さらに補体や抗体のレセプターを持っている組織に、コロナウイルスを見つけ出す斥候として常駐している樹枝状細胞(Dendritic cell、略してDC)に捕捉されます。補体や抗体によってオプソニン化(DCに食いつかれやすくされる味付け作用)された抗原をリンパ節まで運びます。下のリンパ節の絵図を見てください。T cell Area(Paracortex)とB cell Area(Cortex)の境界あたりに待ち構えているFDCと出会うと、FDCがDCに乗せられてきたオプソニン化されたコロナウイルスの抗原がFDCによって奪い取られるのです。何のためでしょうか?B細胞に奪い取った抗原を見せるためなのです。FDCは、補体から奪い取った大量の抗原をB細胞に提示することによってB細胞を活性化させる手助けをするのです。DCの極めて大事な仕事の1つは、オプソナイズされた(味付けられた)Antigenを、リンパ節に運ぶことであることは多くの免疫学者は見落としているようです。

しかし、もちろんB細胞が作る抗体が一過性(消失性)のIgMから長期性(生涯性)のIgGを作るために、ヘルパーT細胞(Th)が登場するのです。左の図のリンパ節の絵図の中にT cell Area(Paracortex、訳して傍皮質)と名づけられた青い帯状の部分がありますね。ここがT細胞の存在場所なのです。さらにB cell Area(Cortex、訳して皮質)と書かれた白い部分がB細胞の住処です。B細胞の領域にB細胞がとりわけ多く集まっている部分がリンパ濾胞(Lymphoid Follicle)は体中に張り巡らされているリンパ管の“道の駅”のように体中のあらゆる組織に大小取り交えて500個以上も存在しています。

それではナイーブTh細胞はリンパ節のどの部位でDCによって、どのように活性化され、Tfhに成熟し、かつB細胞をリンパ節のどの部位で出会い、どのようにTfhがB細胞を活性化するのでしょうか?  リンパ節で活性化されたTh細胞はTfh(濾胞ヘルパーT細胞)と言います。一言でいうと、まずTh細胞とB細胞とがCognate Antigen(共通認識抗原)と言われる抗原を同時に認識することによってTh細胞のレセプターとB細胞のレセプターとが、まず結合することによってThはTfhになることから始まります。もっと具体的に説明しましょう。

とにかく骨髄で産生されたヘルパーT細胞にしろ、B細胞にしろ、キラーT細胞にしろ、すべての抗原と出会ったことがない上の3つの細胞の前にバージンとかナイーブとかunexperiencedという未経験だという意味の言葉が付きます。一方、抗原と出会ったことのある細胞をexperienced cellといい、抗原に出会う経験をした細胞という意味となります。

B細胞が増えると、濾胞は成長し始め、一次リンパ濾胞は胚中心(germinal center)といわれる二次リンパ濾胞に成長します。B細胞が胚中心(germinal center)で増殖していく時に、共通認識ができる抗原を認識できるヘルパーT細胞から手助けを受けなければ、B細胞はアポトーシスで死んでしまうのです。ここでB細胞に共通抗原を提示してB細胞が自殺するを防ぐのが濾胞ヘルパーT細胞(Follicular helper T cell、略してTfh)なのです。B細胞を自殺から救い出すことができるのです。

重複しますが、骨髄で作られたT細胞やB細胞がどのようにしてリンパ節に運ばれて幾のでしょうか?  リンパ管から500個以上もあるリンパ節へと寄り道をしながら自分のレセプターにぴったい合う抗原(Cognate Antigen)を探すためにリンパや血液に乗って運ばれています。このようにT細胞やB細胞のレセプターにぴったり合う抗原を英語でCognate Antigenといい、日本語に訳すと共通認識抗原となり、T細胞やB細胞のレセプターの2つが共にぴったり合う共通の抗原を提示してくれるDCを見つけ出す場所が、二次リンパ器官の1つであるリンパ節なのです。これからCognate Antigen(共通認識抗原)という言葉をしばしば使いますからしっかり覚えて下さい。

組織で敵と出会った樹枝状細胞(Dendritic cell、DC)がその敵の抗原をリンパ節に運びます。敵を運ぶ仕事が樹枝状細胞の主要な仕事なのです。これから樹状細胞の名称は正式には樹枝状細胞ですが、今後は樹状細胞で統一します。T細胞やB細胞はCognate Antigen(共通に認識される抗原、つまり共通認識抗原)を求めてリンパ液や血液に乗って体中のリンパ節を漁り回っているのです。これらのリンパ球は一日で体中をひとまわりできると言われます。その途上で立ち寄ったリンパ節でDCが運んでくれるCognate Antigen(共通認識抗原)と出会ってしっかり結びつくと、まず活性化されたB細胞は分裂することによって増殖し、その数をどんどん増やし続けていきます。同じようにB細胞を手助けするヘルパーT細胞(Th)も、ひとたびCognate Antigen(共通に認識される抗原)と出会うと活性化され分裂し、2倍3倍…と増殖し始めます。抗原が二次リンパ器官であるリンパ節にリンパ液や血液に乗って運ばれる形は4つあります。まず1つ目が裸の抗原そのものとして、つまりウイルスそのものとして、2つ目がAPC(抗原提示細胞)に乗せられて、3つ目が補体や抗体によってオプソニン化(味付け化)され、コロナウイルスと戦う様々な組織から運ばれてくるのです抗原として運ばれます。APCであるDCのMHCⅡに抗原のペプチドと結びつけた複合体をThに提示するために運ばれる場合と、あるいはオプソニン化された抗原をFDCによって捕まえさせてB細胞に提示するための2つの場合があることはすでに述べました。復習しておきましょう。DCはヘルパーT細胞に抗原を提示する仕事を、一方FDCはB細胞に抗原を提示する違った仕事をしているのです。混乱しないでください。

上図を見て下さい。リンパ管を流れてきたリンパは、リンパ節に到達すると輸入リンパ管(Incoming Lymphatic)からリンパ節に入っていきます。リンパによって運ばれてきたオプソニン化された抗原はMarginal Sinus(辺縁洞)の穴から通り抜けて、Cortex(皮質)に入り、次にParacortex(傍皮質)入り、補体によってオプソニン化された抗原がリンパ節でB細胞やFDCに認識されなければ、最後はMedullary Sinus(髄洞)から輸出リンパ管を通って素通りしてリンパ節を離れて出ていくのです。Sinusというのは、Cavityとも言い、空洞や穴という意味です。

Marginal Sinus(辺縁洞)の壁は、コロナウイルスがリンパ節に侵入する時に捕まえて貪食しようとする大食細胞で貼り付けられています。大食細胞が貪食してくれるので適応免疫系が処理すべきコロナウイルスの数が減ります。その結果、血流に流れていくコロナウイルスが減る手助けをしてくれます。したがってリンパ節の重要な機能は、リンパに入り込んでいるコロナウイルスを濾過して血流に流さないようにしてくれます。それでは上の図で赤い線の小動脈に流れているT細胞やB細胞はどの部位からリンパ節に入ってくるのでしょうか?  それはT cell AreaにあるHEVと書かれている特別な血管壁を通ってT cell Area(Paracortex)からリンパ節にB細胞、T細胞が入りこんでくるのです。HEVについての説明は後で書きます。このT cell AreaはT細胞が蓄積するところであり、輸入リンパ管や小動脈の毛細血管からも流れ出てきたDendritic cell(DC)はこのT cell Areaにもたくさん存在しています。一方、輸入リンパ管から流れ出たB cell Area(Cortex)に集まっています。このB cell Area(Cortex)はリンパ濾胞が存在しているところです。このリンパ濾胞にこそ、リンパ樹状細胞(FDC)がB細胞にDCが持ってきたオプソニン化した抗原を見せるために住んでいるのです。言い換えると、リンパ節はAPCやTリンパ球やBリンパ球やマクロファージや、かつオプソニン化された抗原を満載しているFDCの5つの免疫のプレイヤーが集まる場所なのです。しかも、この5人のプレイヤーともすべて同じCognate Antigen(共通認識抗原)を認識することができるとお互いに協力し合う仲間と言えます。

リンパ濾胞でB細胞がFDCによって提示されたCognate Antigen(共通認識抗原)を見つけ出すとBCRのレセプターとFDCによってオプソニン化されたCognate Antigen(共通認識抗原)の複合体は一緒にB細胞の細胞内に取り込まれます。ひとたびB細胞に取り込まれてしまうやいなやCognate Antigen(共通認識抗原)はB細胞によって酵素的に消化されてMHCⅡ分子の上に乗せられてT細胞に見せるためにB細胞の細胞膜に提示されます。しかしながらB細胞が十分に成熟するためにはB細胞はFDCからCognate Antigen(共通認識抗原)をもぎ取った後、T細胞の持つCD40Lのタンパクの手助けが必要なのです。このCD40LこそB細胞を刺激するCo-stimulation(補助刺激)となることはすでに述べました。このTh細胞のCD40LのCo-stimulation(補助刺激)はB細胞の表面に存在するCD40と結びつくのです。Th細胞だけがこのCo-stimulation(補助刺激)をB細胞に提供することができるのですが、一方Th細胞の方もAPCであるB細胞が自分に提示するCognate Antigen(共通認識抗原)がなければ十分に成熟できないのです。皆さんはB細胞は抗体を作るだけの仕事が多いと思いですが、実はB細胞はMHCⅡ分子を持っているAPCの仕事もこのリンパ濾胞で発揮できるのです。Bリンパ球はFDCからCognate Antigen(共通認識抗原)を奪い取る一方で、今度は奪い取ったこのCognate Antigen(共通認識抗原)をThに見せることによってThをTfhまで成熟させることができるのです。ややこしいでしょう。しかし極めて面白いでしょう。こういう離れ業ができる場所を提供しているのが、リンパ節のリンパ濾胞であり、最終的にはこのリンパ濾胞の中でコロナウイルスに対して効果的な抗体を作れるBリンパ球を増やす場所が成熟しきった特定の場所がリンパ濾胞の胚中心(germinal center)なのです。

さらにTh細胞がB細胞を助けるのみならず、Th細胞もB細胞の手助けが必要なのです。それはTh細胞がTfh細胞まで成熟するにはB細胞がもつB7タンパクとB細胞膜の上にあるICOSLタンパクの手助けが必要なのです。このB細胞のB7タンパクと未熟なTh細胞のCD28と結びつくと同時にB細胞のICOSLタンパクは同時にTh細胞のICOSタンパクと結びつく必要があるのです。

 cell Area(Cortex)で出会いますと1時間かかって、形質細胞になったいくつかのB細胞は増殖し、初期の親和性の低いIgM分泌抗体を生み出します。もちろん、1時間の出会いでこのような形質B細胞はクラススイッチやSomatic hyper-mutationされることはありませんが、初期の感染に対して素早く対抗できます。他の形質細胞にならなかったB細胞と境界でThはリンパ濾胞へと一緒に移動します。そこでB細胞とThはお互いに助け合いながらTh細胞とB細胞は、Th細胞の上にあるCD40LとB細胞のCD40が結びついて相互に手助けしながら、かつB細胞のMHCⅡとB7とICOSLはTh細胞を手助けしてTh細胞をTfhに成熟し、さらにどんどん増えていくB細胞は一次リンパ濾胞を二次リンパ濾胞に変えて、つぎに二次リンパ濾胞の一部を胚中心(germinal center)に変えて、最後は増えすぎたB細胞が胚中心(germinal center)の一部をダークゾーン(暗帯とか、暗領域)に変えてしまいます。この胚中心(germinal center)のダークゾーン(暗領域)でクラススイッチと体細胞超変異(Somatic hyper-mutation)が起こるのです。

非常に詳しく書きすぎたので整理しましょう。まず、Cognate Antigen(共通認識抗原)を持ったナイーブT細胞とナイーブB細胞が最初にリンパ節のT cell Area(Paracortex)とB  cell Area(Cortex)で出会いますと1時間かかって、形質細胞になったいくつかのB細胞は増殖し、初期の親和性の低いIgM分泌抗体を生み出します。もちろん、1時間の出会いでこのような形質B細胞はクラススイッチやSomatic hyper-mutationされることはありませんが、初期の感染に対して素早く対抗できます。他の形質細胞にならなかったB細胞と境界でThはリンパ濾胞へと一緒に移動します。そこでB細胞とThはお互いに助け合いながらTh細胞とB細胞は、Th細胞の上にあるCD40LとB細胞のCD40が結びついて相互に手助けしながら、かつB細胞のMHCⅡとB7とICOSLはTh細胞を手助けしてTh細胞をTfhに成熟し、さらにどんどん増えていくB細胞は一次リンパ濾胞を二次リンパ濾胞に変えて、つぎに二次リンパ濾胞の一部を胚中心(germinal center)に変えて、最後は増えすぎたB細胞が胚中心(germinal center)の一部をダークゾーン(暗帯とか、暗領域)に変えてしまいます。この胚中心(germinal center)のダークゾーン(暗領域)でクラススイッチと体細胞超変異(Somatic hyper-mutation)が起こるのです。

ここでヘルパーT細胞(Th)とB細胞(B cell)との関係をまとめておきましょう。最終的にThとB cellはどんな分子によって結合することによってクラススイッチをし、体細胞突然変異を起こすのかをまとめましょう。全部でThとB cellのそれぞれ5種類の分子同士が結びつく必要があります。1つ目がThのTCRとB cellのMHCⅡに乗せられたペプチド、2つ目がThのCD40LとB cellのCD40、3つ目がThのCD28とB cellのB7、4つ目がThのICOSとB cellのICOSLの4つです。

そ れでは上絵図に B cellとTh cellがどのような分子同士と結合して相互に刺激しあっているかを一目でわかるように示しました。B cellが提供する分子は上からMHCⅡとB7とICOSLとCD40の4つです。Th cellが提供する分子は上からTCRとCD28とICOSとCD40Lの4つの分子です。

B cellとTh cellはそれぞれ4種類の分子同士の結合が必要ですが、その内ThがB cellを助ける結びつきは2つあります。1つ目がThのTCRがB cellのMHCⅡと黄色い丸印のペプチド複合体と、2つ目がThのCD40LがB cellのCD40と結合してTh cellがB cellをヘルプしています。

次にB cellがTh cellを手助けする結びつきは、1つ目がB cellのMHCⅡと黄色い丸印のペプチド複合体がTh cellのTCRに結びつくによって相互にヘルプをしています。皆さん、B cellは抗体を作る専門家であるはずなのにDCと同じようにMHCⅡとペプチド複合体を作り、Th cellに抗原である黄色い丸印のペプチドをMHCⅡに乗せて提示することができるのでしょうか?それはB cellもMHCⅡを持っているDCの1つであることを思い起こしてください。つまりB cellは抗体産生工場であると同時に抗原提示細胞(APC)であるDC(樹状細胞)の仕事もできるのです。2つ目がB cellのB7がTh cellのCD28に結びつくことでB cellはTh cellを手助けしているのです。3つ目は、B cellのICOSLがThのICOSに結びつくことです。最後にTh cellとB cellが相互に補助し合っていることを知ってください。その相互作用の結びつきはTCRとMHCⅡと黄色い丸印のペプチドの複合体です。ややこしいでしょうが、面白いでしょう?

以上を述べたようにThとB cellは助けてもらったり、助けたり、時には相互に助け合うことによって最終的にはB cellが抗体のクラススイッチをし、かつ体細胞突然変異を行うことが可能となるのです。皆さん、全部理解し、覚えられますか???

どのようにしてキラーT細胞が活性化され、メモリーT細胞が生まれるのでしょうか?

リンパ球にはT細胞とB細胞とナチュラルキラーT細胞(NK細胞)の3つがあります。まずT細胞(T cell)には3つあります。1つ目がヘルパーT細胞(Th cell)、2つ目がキラーT細胞(CTL)、3つ目は制御性T細胞(regulatory T cell、略してTreg cell)です。これまではもっぱらヘルパーT細胞について詳しく述べてきたのは、B細胞をヘルプして抗体を作らせるT細胞に焦点を合わせてきました。これからはウイルスが必ず細胞に入って初めて増殖できます。ウイルスが細胞に感染してしまうと、高等免疫であるリンパ球は手も足も出ません。この時にキラーT細胞(CTL)とNK細胞の登場となり、細胞もろともウイルスを殺すことになります。NK細胞については後回しにして、まずキラーT細胞(CTL)について詳しく解説しましょう。Th cellについてはCTLよりもはるかに研究されていますが、CTLはそれほどでもありませんが、CTLの活性化、増殖、その働きぶりについて書き始めましょう。なぜならばSARS-CoV-2に対する真実のワクチンというのは細胞に感染するこのウイルスを殺すためにはキラーT細胞(CTL)が記憶キラーT細胞(CTL)にならせる必要があるからです。したがってCTLというT細胞がどのようにして生まれ、どのようにして活性化され増殖しどのような仕事をやるかについて詳しく説明しましょう。その前にThはTCR(T cell receptor)以外に、もう1つCD4というco-receptor(補助受容体)を持っており、CTLはTCR(T cell receptor)以外に、もう1つのCD8というco-receptor(補助受容体)を持っていることで、区別されることを確認しておきましょう。

キラーT細胞の概略 

キラーT細胞(killer T cell)は、細胞傷害性T細胞とも言われ、英語で cytotoxic T lymphocyte で、略してCTLです。3種類のリンパ球にTh細胞、CTL、制御性リンパ球(Treg)があります。宿主にとってウイルス感染細胞、癌細胞、移植細胞などの異物細胞を認識して破壊します。骨髄で作られたばかりの未分化なT細胞は、ヘルパーT細胞に必要なCD4分子と、キラーT細胞に必要なCD8分子の両方を発現しているのでダブルポジティブ(DP)なT細胞と言われます。しかし、T細胞が成熟するにつれて、分化をしていくと、CD4とCD8のどちらか一方だけを発現するシングルポジティブ(SP)になり、最終的にCD4だけのヘルパーT細胞か、CD8だけのキラーT細胞へと分化します。CTLは表面にCD8分子を発現しているT細胞から分化してくる。このような理由から、細胞障害性T細胞のことを「CD8陽性T細胞」や「CD8+T細胞」と呼ぶ場合もある。ヘルパーT細胞(helper T cell、Th)のうちTh1細胞は主にIL-2とIFN-γを産生し、CTLの働きを補助します。補助されて活性化されて抗原刺激を受けたCTLは細胞傷害活性を持つようになります。抗原に出会ったことが一度もないキラーT細胞をナイーブキラーT細胞といいます。それではどのようにしてナイーブキラーT細胞が細胞傷害活性を持つCTLになるのでしょうか?  3つの細胞が必要です。まず1つ目が細胞に感染した敵を認識できるレセプターを持ったCTLであります。2つ目が活性化されたDCであります。このDCはCTLにその敵のタンパクの断片をMHCⅠ分子に結びつけて提示することができるDCです。3つ目はCTLを手助けしてくれる活性化されたヘルパーT細胞(Th)の3つが必要です。つまりDCとTh細胞とCTLの細胞が1つの敵を認識する必要があります。それではこの3つの細胞がどこで出会って協力し合うのでしょうか?  実際は3つの細胞が同一のリンパ節で出会うことが感染の初期は極めて難しいので、3つのうちT細胞の手助けがなくともCTLとDCの両社だけでもキラーT細胞を最初に活性化することができます。言い換えるとナイーブCTLと活性化されたDendritic cell(DC)の2つの細胞の相互作用で十分であります。このときCTLのレセプターはDCのMHCⅠ分子によって提示されたCognate Antigen(同一の認識抗原)を認識します。しかもCTLは同じDCから補助刺激であるB7をCD28で受け取る必要があります。したがってTh細胞の手助けは初期のキラーT細胞の活性化では必要とされないのです。これはナイーブキラーT細胞はナイーブTh細胞が活性化されたDendritic cell(DC)によって活性化されることと似ています。 

ところがこのようにTh細胞の手助けなしに活性化されたCTLは確かになんとか増殖し始め、数を増やすことができ、かつウイルスに感染された細胞を殺すことができるけどもこういうTh細胞の手助けのないCTLは高い効率でウイルス感染細胞を殺すことができないのです。このようなTh細胞の手助けのないCTLはあまり長生きできません。これは調度Th細胞の手助けなしにIgM抗体を作れますが、クラススイッチや体細胞超変異ができないことに似ています。したがってTh細胞の手助けのないCTLの活性化は感染の初期において、敵であるウイルスが感染した細胞を素早く処理することができるためのキラーT細胞の爆発的な活性化による増殖を期待できません。

これに反して、ヘルパーT細胞の手助けを借りて十分に活性化されたCTLはどんどん増殖して効果的にウイルス感染細胞を殺すことできるのみならず、記憶キラーT細胞になることができるのです。したがって最初に説明したように完全な記憶CTL細胞を生み出すためにはTh細胞とDC細胞とCTLの3者が相互作用をする必要があるのです。その3者が相互作用できる場所はリンパ節のどの部位でしょうか? 上の絵図で B cell Area(Cortex)とT cell Area(Paracortex)との境界付近であります。調度この境界付近でB細胞とFDCとTfhの3者が出会って相互作用を起こして、B細胞がクラススイッチや体細胞超変異を行うことができるのと同じことです。

なぜB細胞とDCやThの3者が、かつB細胞とFDCやTfhが出会う場所がB cell Area(Cortex)とT cell Area(Paracortex)との境界付近となるのでしょうか?  上のリンパ節の絵図をじっくり見て下さい。とりわけArteriole(小動脈)の毛細血管はLymphoid Follicleを囲んだ形でB cell Area(Cortex)に存在していますね。しかもこの小動脈の毛細血管のT cell Area(Paracortex)の境界から始まりますね。この毛細血管から血液に運ばれてきたDCが流れ出すのです。リンパ球も動脈の毛細血管から出ることは出来ますが、リンパ節においてはリンパ球(Tリンパ球、Bリンパ球)のみが小静脈側の後毛細管静脈の特別に分化した高内皮細静脈(high endothleial venules、略してHEV)といわれる特別な毛細血管からT cell Area(Paracortex)へと出ていくのです。

HEV(high endothleial venules)はどうして特別な高内皮細静脈なのでしょうか?HEVとは何でしょうか? 

リンパ球はリンパ節の小動脈を通って毛細血管の細動脈から栄養をリンパ節に補給した後、毛細血管の細静脈に入り、老廃物を吸収した後、毛細血管の細静脈の最後の部分に存在する特別に分化した高内皮細静脈(high endothleial venules, HEV)からリンパ節にリンパ球だけが入ります。高内皮細静脈は主として傍皮質にあります。高内皮細静脈(HEV)は粘膜リンパ組織(MALT)と胸腺にもあります。もちろんT細胞はこの細静脈のHEVから入り込む以外に抗原の侵入路である輸入リンパ管からリンパ節にも入ります。上の輸入リンパの流れとリンパ球の動きの絵図を見て下さい。リンパ球は輸出リンパ管から出て他のリンパ節を通過し最終的には胸管を経て左鎖骨下静脈で血液に入り心臓まで流れます。5千億個もあるリンパ球の1-2%が毎時間、血管とリンパ管とリンパ節を循環するのを繰り返しています。その内、3千億個がTリンパ球です。この膨大の数のリンパ球の中で特定の抗原を認識できるリンパ球の数は限られています。100万個のリンパ球だけが1個の特定の抗原(Cognate Antigen)を認識できます。この再循環は無数にある抗原特異的リンパ球が末梢リンパ組織で特定の抗原(Cognate Antigen)に出会うための最高のシステムです。とりわけ再循環を繰り返し動き回るのはBリンパ球以外のTリンパ球であり、特にヘルパーTリンパ球が免疫を助けるために一番再循環を繰り返しています。いちど特定の抗原に感作された(認識された)Tリンパ球がリンパ節に再度抗原が入るとTリンパ球の移動が止まり約24時間停止して、抗原特異的リンパ球や免疫細胞が初めはリンパ節のそれぞれ定められた部位に集まっているのですが、上で述べたようなメカニズムによってSARS-CoV-2のような病原体をT cell Area(Paracortex)やB cell Area(Cortex)に集中的に残留して、1)T cell Area(Paracortex)に集まるAPCであるDCや2)Marginal Sinusに集まっているウイルスを貪食するマクロファージや3)リンパ濾胞に住み着いているFDCや4)リンパ濾胞に集まってくるTfhや5)始めはB cell Area(Cortex)に集まっており、FDCから抗原を奪い取りTfhの手助けを借りてリンパ濾胞で膨大な数に分裂、増殖し続けるBリンパ球や6)B細胞の助けを借りてTfhになる前のT cell Area(Paracortex)に一番多く見られるTリンパ球や7)T cell Area(Paracortex)に存在するキラーT細胞がリンパ節の決められた各々の部位に収束し、この7つの免疫細胞が協力して同一の敵であるSARS-CoV-2ウイルスをBリンパ球が作る抗体の中和作用やオプソニン作用で殺すと同時に細胞に感染したコロナウイルスを殺すことができるようになるのです。

一次リンパ器官である胸腺も二次リンパ器官であるMALTもすべてHEVも、かつリンパ濾胞の両者を持っています。リンパ濾胞とHEVを持っているからリンパ器官であると言えるのです。MALT(mucosa-associated lymphoid tissue、訳して粘膜関連リンパ組織)やNALT(Naso-pharyngeal-associated Lympho-reticular Tissue、訳して鼻咽頭関連リンパ網内系組織)については後で詳しく論じます。

2021.2.7

-コラム, ワクチン, 新型コロナウイルス

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